子育てを優先できる会社に転職したいパパへ|求人で見るべきポイント

仕事・キャリア

妻の収入が高い家庭で夫が転職するとき、年収より重視したい5つの条件では、残業時間・勤務時間、働く場所と時間の柔軟性、通勤時間、育児への理解・休みやすさ、仕事内容・キャリアの継続性という5つの評価軸を整理しました。

では、その条件を実際の求人からどう見極めればいいのでしょうか。今回は、求人票や企業情報のどこを見て、何を確認すればいいのかを具体的に整理していきます。

前回の記事が「何を重視するか」を決めるための記事だったとすれば、今回は「それをどう探し、どう見極めるか」の記事です。読み終えたときに、実際の求人を前にして「ここを確認すればいいんだ」と分かる状態を目指します。

求人票の「制度あり」だけで判断しない

まず前提として押さえておきたいのが、「制度があること」と「実際に利用できること」は違う、という点です。

求人票には、

  • 在宅勤務制度あり
  • フレックスタイム制度あり
  • 育児支援制度あり
  • 男性育休取得実績あり

といった記載がよく見られます。ただ、これらの制度が実際にどの程度使われているのかは、求人票の一行だけでは分かりません。

そのため、求人票だけで判断せず、企業の公式サイト、面接や面談の場、必要に応じて口コミなどの情報も組み合わせながら、少しずつ実態に近づけていくという考え方を持っておくと安心です。

ポイント1|残業時間は「平均」だけを見ない

求人票では、所定労働時間や平均残業時間のほか、「固定残業代◯時間分を含む」「みなし残業」「裁量労働制」といった表記を目にすることがあります。

固定残業代の記載があるからといって、必ずその時間分だけ残業しているとは限りませんが、実際の残業状況を確認するきっかけにはなります。

また、「会社全体の平均残業時間」と「自分が配属される部署の残業時間」は、必ずしも一致しません。部署や時期によって差があることも多いため、面接や面談の場で、

「配属予定の部署では、通常どのくらいの時間に退勤される方が多いですか」

といった、実際の生活をイメージしやすい聞き方をしてみると、数字だけでは見えない部分が分かることがあります。同じ「平均残業時間20時間」という数字でも、月によってばらつきが大きい部署もあれば、比較的安定している部署もあります。可能であれば、繁忙期の有無についても聞いておくと、より具体的にイメージしやすくなります。

ポイント2|在宅勤務は「週何日使えるか」まで確認する

「リモートワーク可」という記載だけでは、実際の働き方はまだ分かりません。

確認しておきたいのは、

  • 週に何日、在宅勤務ができるのか
  • 入社直後から利用できるのか、一定期間後からなのか
  • 部署によって利用状況に差があるのか
  • 出社日が固定されているのか
  • 今後、制度が変更される可能性があるのか

といった点です。「フルリモート」「原則出社で一部在宅」「週2日在宅」では、日々の生活への影響が大きく異なります。同じ「在宅勤務可」という言葉でも、中身は会社によってかなり違うことを念頭に置いておきたいところです。

ポイント3|フレックスタイムはコアタイムを見る

フレックスタイム制度についても、「フレックスあり」という一言だけでは判断材料が足りません。

見ておきたいのは、コアタイム(必ず勤務すべき時間帯)、フレキシブルタイム(出退勤時間を調整できる範囲)、標準労働時間、そして実際にどの程度活用されているかです。

保育園の送り迎えなどを考える場合、制度の名前よりも「何時から何時まで、自分で働く時間を動かせるのか」のほうが、実生活には直結します。

ポイント4|勤務地と通勤時間を実際の生活から考える

勤務地については、「駅から徒歩◯分」という情報だけでなく、自宅から保育園、保育園から会社という、実際の生活の動線で考えてみることをおすすめします。

あわせて、転勤の有無や勤務地変更の可能性、実際の出社頻度も確認しておきたいポイントです。通勤時間そのものが生活に与える影響については妻の収入が高い家庭で夫が転職するとき、年収より重視したい5つの条件で触れているため、ここでは求人票や面接でどう確認するかに絞ってお伝えしました。

ポイント5|育児支援制度は「利用実績」を見る

企業サイトの採用ページなどでは、男性育休取得率、育休からの復職実績、育児短時間勤務、子の看護休暇、子育て中の社員の紹介といった情報が公開されている場合があります。

こうした情報は、制度の有無だけでなく「実際に使われているかどうか」を推測する手がかりになります。

ただし、育児支援制度が充実しているからといって、必ずしも働きやすい職場とは限りません。制度だけでは見えない、上司やチーム、配属される部署の雰囲気、実際の職場文化といった部分も、働きやすさには大きく関わってきます。

ポイント6|仕事内容とキャリアも求人票で確認する

ここまで子育てとの両立に関する項目を中心に見てきましたが、家庭を優先しながらキャリアを築く方法でも触れたとおり、家庭を優先することとキャリアを諦めることは同じではありません。

求人票の仕事内容、求められる経験、ポジション、将来的なキャリアパス、異動の可能性、これまでの専門性を活かせるかどうかといった点も、あわせて確認しておきたい項目です。

働きやすさだけを見て選んだ結果、仕事内容への納得感が持てなくなってしまうと、それはそれで後悔につながることがあります。子育てとの両立と、仕事内容への納得感は、どちらか一方ではなく、両方を見ていく視点が大切です。

求人票だけでは分からないこと

ここまで見てきたように、実際の残業状況、在宅勤務の利用率、子どもの体調不良時の休みやすさ、上司の理解、配属部署の雰囲気、子育て中の社員の実際の働き方などは、求人票だけでは分からないことがほとんどです。

こうした情報は、企業の公式サイトや採用ページ、面接やカジュアル面談、社員の口コミなど、複数の情報源を組み合わせて少しずつ確認していくものだと考えておくとよいでしょう。特に口コミについては、投稿した人の部署や時期によって状況が異なる場合があるため、一つの口コミだけを鵜呑みにせず、他の情報とあわせて参考にする程度にとどめておくのが安心です。

また、こうした社内の実態は、社外からは特に見えにくい部分でもあります。求人票だけでは分からない情報を確認したい場合、転職エージェントに、配属予定部署の実際の働き方や在宅勤務の利用状況などを尋ねてみる、という方法もあります。転職エージェントは「転職させるためのサービス」というより、「求人情報だけでは分からないことを確認できる情報源の一つ」として活用することもできます。特に、残業時間や在宅勤務の実態、子育て中の社員の働き方など、自分から企業には聞きにくいことを確認したいときには、こうした第三者を通して情報を集める方法もあります。

なお、転職するかどうかをまだ決めていなくても、実際の求人を眺めてみることで、今の会社以外にどんな選択肢があるのかを知ることができます。それ自体が、今の働き方を客観的に見直すきっかけになることもあります。

求人を見るときのチェックリスト

実際に求人を見る際、以下のような項目を横に置きながら確認してみると、比較しやすくなります。

  • 平均残業時間
  • 配属予定部署の残業状況
  • 在宅勤務の頻度
  • フレックスタイムのコアタイム
  • 勤務地・転勤の有無
  • 自宅・保育園からの通勤時間
  • 男性育休の利用実績
  • 育児中の社員の働き方
  • 子どもの急病時の休みやすさ
  • 仕事内容
  • 自分の経験を活かせるか
  • 将来のキャリアにつながるか

すべての項目を完璧に満たす求人を探すというより、自分たち家庭にとって特に譲れない項目はどれかを考えながら、優先順位をつけて見ていくのがおすすめです。たとえば、「在宅勤務の頻度」と「仕事内容」のどちらを優先するかは家庭によって違いますし、同じ家庭でも子どもの年齢や状況によって変わっていくものです。一度決めた優先順位も、必要に応じて見直していくくらいの感覚で構いません。

まとめ

「子育てしやすい会社かどうか」は、求人票の「育児支援制度あり」という一言だけで判断できるものではありません。

求人票の情報に加えて、企業の公式サイト、面接や面談でのやり取り、必要に応じて第三者からの情報なども組み合わせながら、少しずつ実態に近づけていくことが大切です。

転職するかどうかを、今この時点で決める必要はありません。まずは実際の求人を眺めてみて、今回のチェックリストを使いながら、「今より家庭との時間を取りやすい働き方が実際にあるのか」を確認してみるところから始めてもいいと思います。

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