前回、妻が高収入でも自分のキャリアを諦めたくない夫へ|スキルアップという選択肢では、スキルアップは今すぐ稼ぐためだけのものではなく、将来の選択肢を増やすためにも使えるという考え方を紹介しました。
とはいえ、「何か勉強したほうがいい」と思って調べ始めると、資格、英語、プログラミング、Web制作、データ分析、AI、マーケティングなど、選択肢が多すぎて迷ってしまうこともあります。今回は、「何がおすすめか」ではなく、「自分には何が合っているかをどう判断するか」という視点から整理していきます。
最初に「何を学ぶか」を決めなくていい
資格ランキングや「これから伸びるスキル」といった情報を見て、そのまま学ぶものを決める必要はありません。
まず考えたいのは、「自分は働き方の何を変えたいのか」ということです。今の会社で評価されたいのか、転職できるようになりたいのか、在宅勤務できる仕事に近づきたいのか、副業を始めたいのか、専門性を作りたいのか。目的によって、必要な学びは変わってきます。
方向性1|今の仕事を伸ばすための資格・スキル
今の仕事や業界を大きく変えるつもりがない場合は、業務に関係する資格、Excel、データ分析、プレゼンテーション、マーケティング、語学、業界知識を深めるといった方向性が考えられます。
ここで重要なのは、「今の経験×新しいスキル」という考え方です。完全に未経験の分野へ移るより、これまでの経験を活かせる可能性があります。ただし、特定の資格を取れば必ず昇給や昇進につながるというものではなく、あくまで可能性の一つとして捉えておくのが現実的です。
方向性2|転職の選択肢を増やすための資格・スキル
将来的に転職する可能性がある場合は、「とりあえず資格を取る」よりも、実際の求人を見て逆算する方法が参考になります。転職先で求められている経験やスキルを確認し、資格が重視されるのか、実務経験が重視されるのかを見極めたうえで、足りない部分を学ぶという流れです。妻の収入が高い家庭で夫が転職するとき、年収より重視したい5つの条件や子育てを優先できる会社に転職したいパパへ|求人で見るべきポイントもあわせて参考にしてみてください。
方向性3|副業につなげるためのスキル
子育て中の会社員パパに向いている副業は?時間・収入・始めやすさで比較で扱ったように、Webライティング、Web制作、デザイン、動画編集、データ分析、プログラミング、マーケティングなどは、副業に活かすことを考えやすいスキルの例です。
ただし、「これを学べば稼げる」というものではありません。副業の場合は、勉強するだけでなく、実際に何かを作ってみる、小さな案件を試してみる、ポートフォリオを作ってみるといった、アウトプットの積み重ねも重要になります。
方向性4|働く場所・時間の自由度を高めるためのスキル
年収を上げることだけでなく、「家庭との時間を増やしたい」「通勤を減らしたい」「在宅勤務しやすい仕事に移りたい」という目的からスキルを考えることもできます。IT・Web、データ分析など、比較的パソコン上で仕事が完結しやすい分野は、こうした目的とも相性がよい場合があります。
ただし、「ITなら必ず在宅勤務できる」「このスキルを学べば必ずリモートワークできる」というわけではありません。職種や会社によって働き方の実態は異なるため、この点は過信しすぎないようにしたいところです。
資格と実務スキル、どちらがいい?
| 資格 | 実務スキル | |
|---|---|---|
| 学習目標 | 明確になりやすい | 自分で設定する場合もある |
| 証明のしやすさ | 資格として示せる | 実績や成果物が必要な場合がある |
| 転職での評価 | 職種によって評価が異なる | 実務経験が重視される職種もある |
| 副業への活用 | 資格だけでは仕事にならない場合もある | 案件につながる可能性がある |
| 学びやすさ | 試験範囲が明確 | 学ぶ範囲が広くなりやすい |
資格と実務スキルは、どちらか一方を選ぶものではなく、組み合わせて考えることもできます。資格で基礎知識を整理しながら、実務スキルを並行して身につけていく、という進め方も一つの方法です。
子育て中は「学習時間」も選ぶ基準にする
どれだけ魅力的なスキルでも、学習時間を確保できなければ続けるのは難しくなります。平日にどれくらい時間が使えるか、休日はどうか、半年から1年以上続けられそうか、家事や育児への影響、妻の負担が増えすぎないか、費用はいくらまで出せるかといった点も、あわせて考えておきたいところです。「最短◯か月で習得」といった広告文句だけで判断せず、自分の生活の中で現実的に続けられるかどうかを基準にすることをおすすめします。
高額なスクールに申し込む前に、小さく試す
いきなり数十万円の講座やスクールに申し込む必要はありません。まずは本を読んでみる、無料教材を試してみる、低価格のオンライン講座を受けてみる、資格なら過去問を見てみる、プログラミングなら実際に少しコードを書いてみるといった方法で、自分が興味を持てるか、続けられそうかを確認してみましょう。そのうえで、独学では難しいと感じた場合に、スクールや講座を検討するという順番でも遅くはありません。
迷ったら「今の経験との掛け合わせ」から考える
完全に未経験の人気スキルだけを見るのではなく、自分がすでに持っている経験は何かを書き出してみることも役立ちます。営業経験にデータ分析を組み合わせる、業界知識にWebライティングを組み合わせる、事務経験にExcelや自動化のスキルを組み合わせる、といった形です。今まで積み上げてきたものを手放すのではなく、そこに新しいスキルを足していくという考え方をしてみてください。
目的別に整理すると、学ぶ方向が見えやすい
| 変えたいこと | 学ぶ方向性 |
|---|---|
| 今の会社で仕事の幅を広げたい | 今の業務に近い資格・スキル |
| 将来転職したい | 求人から逆算した資格・スキル |
| 副業を始めたい | 案件につながる実務スキル |
| 在宅勤務など働き方を変えたい | 希望する職種で求められるスキル |
| まだ方向性が分からない | 興味のある分野を小さく試す |
もちろん、どれか一つに決める必要はありません。たとえば「転職にも副業にもつながるものを学びたい」という考え方もあります。あくまで、自分の方向性を整理するための目安として考えてみてください。
まとめ|「何を学ぶか」より「何のために学ぶか」
資格やスキルを選ぶとき、「これから伸びそう」「稼げそう」「人気だから」という理由だけで決める必要はありません。どんな働き方をしたいか、そのために何が必要か、今の経験を活かせないか、子育てをしながら続けられそうか、という順番で考えてみることをおすすめします。
妻の収入が高いからといって、夫がキャリアを諦める必要もなければ、焦って成果を出す必要もありません。家庭を優先しながらキャリアを築く方法や妻の年収が高い家庭で、夫はどんなキャリアを築ける?選択肢を整理するで紹介してきたように、今すぐ転職や副業をしなくても、少しずつ学びながら将来の選択肢を増やしていくことはできます。
方向性が見えてきても、「具体的にどんな資格が会社員のキャリアに役立つのか分からない」という方もいるかもしれません。まず次回は、子育て中の会社員パパが資格を選ぶとき、どんな基準で考えればいいのかを具体的に整理していきます。
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