妻のほうが年収が高い家庭では、「自分がもっと稼がなければ」というプレッシャーを感じる一方で、「家庭全体を考えれば、妻のキャリアを優先したほうがいいのでは」と考えることもあります。
特に子どもが生まれると、この問題を考える機会が増えます。
妻のほうが年収が高い家庭で、夫はどう働くべき?という前回の記事では、夫婦としてどう働くかを考えました。この記事では、その具体的な選択肢の一つとして、夫が育児を多く担う働き方について考えていきます。
「男が稼ぎ、女が家庭」という考え方に縛られなくていい
昔ながらの、
男性=仕事
女性=家庭
という役割分担だけが、正解というわけではありません。
家庭ごとに、収入、仕事内容、勤務時間、キャリアへの希望は違います。
「夫だから稼ぐべき」ではなく、夫婦それぞれが何を担うと家庭全体がうまく回るかで考えてよいはずです。
妻のキャリアを優先するという考え方
妻のほうが収入が高いだけでなく、
- 妻が今の仕事を続けたい
- 妻のキャリアにとって重要な時期にある
- 妻の仕事を中断すると、家庭全体の収入が大きく下がる
といった事情がある場合、夫が育児・家事を多く担うことで、家庭全体として合理的になる可能性があります。
ここで考えたいのは、「妻のほうが稼ぐから」という単純な話ではなく、夫婦それぞれのキャリアを含めた全体のバランスです。
夫が育児を多く担うメリット
夫が育児の比重を高めることには、次のようなメリットがあります。
- 子どもの成長を近くで見られる
- 妻が仕事に集中しやすくなる
- 家庭内で、夫が主体的に育児を担える
- 家族との時間を確保しやすい
- 「稼ぐこと」以外の形で、家庭への貢献を実感できる
ただし、育児を担うことは、決して楽なことではありません。体力的にも精神的にも負担は大きく、「メリットがあるから簡単」というわけではないことは、あらかじめ押さえておきたい点です。
それでも夫が育児を担うことに抵抗を感じる理由
合理的だと頭では分かっていても、実際に育児の比重を増やすことには、抵抗を感じる人も少なくありません。
「男なのに仕事をセーブしていいのか」
「周囲からどう見られるか」
「キャリアが遅れてしまうのではないか」
「妻に依存しているように感じる」
こうした感覚は、収入差そのものというより、自分の中に根付いている価値観から生まれていることが多くあります。
「男は稼ぐもの」という前提があると、収入面で妻に頼ることに、実際の生活状況以上の抵抗感を覚えてしまうことがあります。抵抗を感じること自体は不自然ではありませんが、その抵抗の正体が、現実的な問題なのか、価値観によるものなのかを分けて考えてみる価値はあります。
「育児を担う=キャリアを諦める」ではない
育児の比重を増やすことと、キャリアを完全に手放すことは、同じではありません。
- 時短勤務を選ぶ
- 在宅勤務を活用する
- 残業を減らす
- 仕事量を調整する
- 一時的に家庭を優先する
- 育児が落ち着いてから、キャリアを再加速する
といった、段階的な選択肢があります。
「今の数年間」と「これからの数十年」を分けて考えると、一時的に育児の比重を高めることが、キャリア全体にとって致命的な後退になるとは限らないことが見えてきます。
夫婦で決めるべきなのは「誰が偉いか」ではない
収入の高いほうが偉いわけでも、育児を多く担うほうが偉いわけでもありません。
大切なのは、
- どちらがどれだけ働くか
- どちらがどれだけ育児を担うか
- 家事をどう分担するか
- 将来的にキャリアをどうしていきたいか
- 家族として、どんな生活を送りたいか
を、夫婦で話し合うことです。役割分担は、優劣をつけるためのものではなく、家庭全体をうまく回すための工夫です。
夫自身が「どんな生活をしたいか」を考える
ここで、もう一つ考えておきたいことがあります。
「自分は本当は、どんな生活を送りたいのか」という問いです。
もし、
「子どもの成長をできるだけ近くで見たい」
「仕事だけに人生を使いたくない」
と感じているのであれば、妻の収入が高いことは、むしろその望みを実現しやすくする条件になる可能性があります。
「妻の収入があるから、仕方なく育児を担う」のではなく、「妻の収入があることで、自分が望む生活に近づける」という捉え方もできるはずです。
まとめ|「妻が高収入だから」ではなく、家族として納得できる形を
「妻が高収入だから、夫は育児をするべきだ」という話ではありません。
しかし、夫婦の収入・キャリア・希望を合わせて考えた結果、夫が育児を多く担うという選択は、十分にあり得る選択肢の一つです。
重要なのは、「男性としてどうあるべきか」ではなく、自分たち家族にとって、どんな役割分担が納得できるのかを考えることです。
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