妻のほうが年収が高い。
そのこと自体に不満はなくても、夫として自分の働き方を考えると、少し複雑な気持ちになることがあります。
妻の収入があれば、今ほど仕事を頑張らなくても家計は成り立つかもしれない。一方で、自分の年収を下げたり、キャリアを中断したりすることには抵抗がある。
私自身、妻のほうが収入が高い家庭で、子どもが生まれてから仕事との向き合い方が変わりました。
以前は、年収や昇進を意識して働くことに、それほど疑問を持っていませんでした。しかし、育児に時間を使うようになり、家族との時間を削ってまで今の働き方を続ける必要があるのか、考えるようになりました。
だからといって、妻の収入があるから仕事を辞めればいい、と簡単には割り切れません。
妻のほうが年収が高い家庭では、夫が必ずしも収入を最大化する必要はありません。ただし、夫自身のキャリアや希望を後回しにしてよいわけでもありません。
この記事では、夫が選べる4つの働き方と、それぞれのメリット・注意点を整理します。
妻のほうが稼いでいると、夫の働き方はどう変わる?
夫婦ともに働いている家庭では、どちらかの働き方を変えることで、もう一方の仕事にも影響が出ます。
例えば、妻の年収が900万円、夫の年収が600万円だとします。
夫が残業を減らして保育園の送迎を担当できれば、妻は仕事の予定を組みやすくなるかもしれません。
反対に、夫が昇進を目指して仕事を増やせば、妻が育児のために勤務時間を調整する必要が出てくる場合もあります。
家計への影響だけを考えれば、収入の低い夫が仕事を調整する方が有利なケースはあるでしょう。
しかし、妻が仕事を減らしたいと考えている場合や、夫がキャリア上の重要な時期にいる場合には、別の判断も考えられます。
年収差は一つの条件です。そこに夫婦それぞれの希望や、子どもの年齢、勤務先の制度などを加えると、選べる働き方が見えてきます。
選択肢1|夫婦ともにフルタイムで働き続ける
まず考えられるのは、夫婦ともに今の仕事を続ける方法です。
夫も妻もキャリアを維持でき、世帯収入を確保しやすいことが利点です。
将来の住宅購入や教育費、老後資金を考えると、共働きによる収入の安定は大きな意味があります。
一方で、子どもが小さい間は時間のやりくりが難しくなります。
保育園の送迎、急な発熱への対応、夕食や寝かしつけなどを、限られた時間でこなさなければなりません。
夫婦ともに残業や出張が多い場合、どちらかが仕事を調整する場面も出てきます。
この働き方を続けるなら、家事代行や食事宅配などのサービスを利用したり、病児保育を調べておいたりする方法もあります。
世帯収入を維持できる分、外部サービスに費用を使うという考え方です。
ただし、サービスで補えない部分もあります。子どもが体調を崩したとき、最終的に誰が仕事を休むのかは、夫婦で決めておく必要があります。
選択肢2|夫が仕事を調整し、育児を多く担う
妻の仕事を優先し、夫が育児や家事の中心的な役割を担う方法です。
例えば、夫が保育園の送迎を担当し、残業を減らす。子どもの体調不良にも、基本的には夫が対応する。
そうすることで、妻は仕事の予定を立てやすくなります。
夫にとっても、子どもと過ごす時間が増えるという利点があります。
ただし、仕事への影響は考えておかなければなりません。
残業や出張が制限されれば、担当できる業務が変わる可能性があります。昇進や収入への影響も、勤務先によって異なるでしょう。
また、育児を中心的に担う生活は、想像以上に忙しいものです。
仕事を減らせば自由な時間が増える、という単純な話ではありません。
この選択肢については、妻が高収入なら夫が育児を担うのはあり?仕事と家庭の役割分担を考えるで詳しく書いています。
選択肢3|夫が転職して、働き方を変える
今の会社では残業や転勤を避けられない場合、転職も候補になります。
例えば、年収は多少下がっても、通勤時間が短く、残業の少ない会社へ移る。
あるいは、在宅勤務やフレックスタイム制度を利用しやすい仕事に変える。
夫が家庭に使える時間を増やしながら、仕事も続ける方法です。
ただし、転職先の条件は慎重に確認したいところです。
求人票に在宅勤務可と書かれていても、実際の利用状況は部署によって異なる場合があります。
また、年収が下がるなら、家計への影響も無視できません。
妻の収入が高くても、その収入が将来にわたって維持されるとは限らないからです。
転職後の手取りや貯蓄額を試算し、家族として受け入れられる条件か確認しておきたいと思います。
年収ダウンを伴う転職の判断方法は、子育て中の転職で年収が下がるのはあり?後悔しないための判断基準で整理しています。
選択肢4|夫が一時的に仕事を離れる
育児休業を取得する、あるいは退職して一定期間は家庭を中心に生活する方法もあります。
特に子どもが小さい時期には、仕事を離れることで育児に集中できる利点があります。
一方で、仕事から離れる期間が長くなれば、収入やキャリアへの影響が生じる可能性があります。
育児休業と退職では、雇用関係や利用できる制度も異なります。
退職を考える場合には、再就職の見通し、社会保険、将来の年金、家計の貯蓄余力などを確認しておく必要があります。
妻の収入だけで生活できるとしても、それだけを理由に退職を決めるのは慎重でありたいところです。
仕事を辞めたあと、自分がどのような生活を送りたいのか。
再び働きたいと思ったとき、どのような仕事を選べそうか。
こうした点まで考えておくと、判断しやすくなります。
4つの働き方を比較すると
| 働き方 | 主なメリット | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 夫婦ともにフルタイム | 世帯収入とキャリアを維持しやすい | 育児・家事の時間が不足しやすい |
| 夫が育児を多く担う | 妻の仕事を支え、夫も育児に関われる | 夫の業務や昇進への影響 |
| 夫が転職する | 勤務条件を変えられる可能性 | 年収減少、転職先とのミスマッチ |
| 夫が一時的に仕事を離れる | 育児にまとまった時間を使える | 収入減少、キャリアの中断 |
どの選択肢にも、得られるものと失うものがあります。
私なら、まず今の会社で働き方を調整できないか確認し、それが難しければ転職を考えます。
退職は、その後の選択肢が狭まる可能性もあるため、ほかの方法と比較してから判断したいと思います。
「妻のほうが稼ぐ」ことへの抵抗感は、どこから来るのか
働き方を考えるうえで、収入や勤務条件とは別に、気持ちの問題もあります。
妻のほうが年収が高いことに不満はない。
それでも、夫である自分が仕事を減らすとなると、抵抗を感じる。
私も、男性は仕事で家計を支えるべきだという考え方から、完全に自由になれているわけではないと思います。
収入が少ないことを、どこかで自分の評価と結びつけてしまう。
ただ、夫婦の収入差と、家庭の中での立場は別の話です。
妻が仕事に集中できる背景には、夫が担っている育児や家事があるかもしれません。反対に、夫が仕事を続けられるのも、妻の支えがあるからかもしれません。
とはいえ、「育児をしているのだから収入が少なくても気にしなくていい」と簡単に割り切れるものでもありません。
仕事には収入以外にも、やりがいや達成感、社会とのつながりがあります。
自分が本当に気にしているのは年収の差なのか。それとも、仕事を減らすことで失うものがあると感じているのか。
この二つを分けて考えると、自分が望む働き方を整理しやすくなると思います。
夫婦で働き方を決めるときに確認したい3つのこと
家計はいくらあれば成り立つのか
最初に、世帯として必要な収入を確認します。
住宅費、生活費、教育費、貯蓄などを整理し、どちらかの収入が減っても家計を維持できるかを考えます。
今の収入だけでなく、育休や時短勤務、転職などによって収入が変わる場合も想定しておきたいところです。
夫婦それぞれが、仕事をどう続けたいのか
妻のほうが高収入だからといって、必ずしも妻が仕事を優先したいとは限りません。
夫も、年収を下げてでも家庭の時間を増やしたいと思っているかもしれませんし、今の仕事を続けたいと思っているかもしれません。
収入の数字だけでは分からない部分です。
どちらか一方が我慢する前提で決めるのではなく、お互いの希望を確認したいと思います。
今の役割分担を、いつ見直すのか
子どもの成長に伴って、必要な育児の内容は変わります。
妻の仕事が忙しい時期もあれば、夫が仕事に力を入れたい時期もあるでしょう。
一度決めた役割分担を、そのまま続ける必要はありません。
半年後や1年後に見直す機会を設ければ、状況に合わせて働き方を調整しやすくなります。
まとめ|妻の年収が高いことを、働き方を選べる条件として考える
妻のほうが年収が高い家庭では、夫が仕事を調整したり、育児を多く担ったりする選択肢を考えやすくなる場合があります。
ただし、収入差だけで夫婦の役割を決める必要はありません。
私自身、子どもが生まれてから、仕事をどこまで優先したいのか考えるようになりました。
これまで積み重ねてきたキャリアを手放したくない気持ちはあります。それでも、子どもが小さい時期にしかできないこともあります。
妻の収入が高いという状況を、夫としての劣等感につなげるより、働き方を考え直す機会として捉えたいと思っています。
今の仕事を続けるのか。働き方を変えるのか。育児に使う時間を増やすのか。
その答えは、家計の状況だけでなく、夫婦それぞれがこれからどんな生活を送りたいかによって変わるはずです。
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