育休を取ってから、仕事へのモチベーションがなくなった。
以前は普通に仕事を頑張っていたのに、育休に入ると「会社に戻りたくない」「以前のようには頑張れない」と感じるようになった。
そんな自分を、
「怠けているのではないか」
「長く休んだことで仕事への気持ちが冷めたのではないか」
「このまま復職して大丈夫なのか」
と、不安に思うこともあるでしょう。
私自身、育休を取ったことで仕事に対する考え方が大きく変わりました。
大学院時代は研究が好きでした。
仮説を立て、実験をして、結果を考察する。うまくいかなければ原因を考え、また試す。
そんな時間が楽しかった。
今の会社に研究員として入社したときも、「これから研究者として成長していきたい」と考えていました。
ところが、子どもが生まれ、長めの育休を取り、
育児に向き合う時間が増える一方、会社から離れる時間も長くなりました。
そして復職を考える頃、ふと気づきました。
「自分は、以前ほど仕事を頑張りたいと思っていない」
育休中も、会社では同僚が仕事を進めています。
新しい研究をしている人もいれば、成果を出している人もいる。
「自分は遅れてしまったのではないか」
という焦りはありました。
それでも、以前のように仕事を頑張りたいとは思えない。
これは怠けているのでしょうか。
私は、そうとは限らないと思っています。
育休は仕事から離れるだけでなく、自分が何のために働くのかを考え直す時間にもなるからです。
この記事では、育休をきっかけに仕事へのモチベーションが下がったパパが、考えてみたい5つのことを紹介します。
育休を取ったら仕事へのモチベーションがなくなるのはおかしい?
結論から言えば、育休をきっかけに仕事へのモチベーションが下がることは、必ずしもおかしいことではありません。
育休に入ると、生活の中心が仕事から家庭へと移ります。
仕事をしていた頃は、成果や評価、キャリアが生活の大きな部分を占めていたことでしょう。
それが育休中は、子どもの食事や寝かしつけ、遊び相手など、目の前の育児が中心になります。
昨日できなかったことが、今日はできるようになっている。
仕事とは違う形で、子どもの成長を実感する毎日です。
そんな生活を送っていると、
「自分はこれから何を大切にしたいのか」
「今までの働き方を続けていいのか」
と考えるようになります。
つまり、仕事へのモチベーションがなくなったのではなく、仕事の優先順位や価値観が変わった可能性があります。
パパが考えたい5つのこと
仕事が嫌いになったのか、優先順位が変わったのか
まず考えたいのは、**「仕事そのものが嫌いになったのか」**ということです。
育休前は、仕事が生活の中心だったかもしれません。
会社に行き、仕事をして、成果を出し、評価される。
それが当たり前だった。
ところが育休に入ると、家族と過ごす時間が増えます。
仕事から距離を置いたことで、これまでの働き方を客観的に見られるようになることもあります。
そして、
「今まで自分は、何をそんなに頑張っていたんだろう」
と思う。
これは、仕事が嫌いになったとは限りません。
仕事よりも優先したいものが見えてきただけかもしれません。
以前は仕事を最優先していたけれど、今は、
- 子どもとの時間
- 家族との生活
- 自分の時間
- 仕事
をバランスよく大切にしたい。
そう思うようになったのであれば、それは怠けではなく、環境の変化に合わせて価値観が変わったということです。
「自分の代わりはいくらでもいる」と「自分には価値がない」は別
育休中は、会社から離れているぶん、周囲との差を意識しやすくなります。
同僚は仕事を進め、成果を出している。一方、自分は育児中心の生活を送っている。
「みんなは先に進んでいるのに、自分だけ止まっている」
「自分の変わりはいくらでもいる、戻ってから会社に居場所があるのだろうか。キャリアの溝は埋まらないのではないか」
そんな焦りを感じることもあるでしょう。
でも、ここで切り分けたいことがあります。
「自分の代わりはいくらでもいる」と「自分には価値がない」ことは、別の話です。
会社では、成果や評価、昇進、給与などで人と比較されます。
そのため、「同期よりキャリアが遅れた」という事実から、「自分は大したことがない」とも考えてしまいがちです。
でも、会社での評価は、自分の価値を測る一つの物差しにすぎません。
家庭では、子どもと過ごす時間や家族を支えることにも意味があります。
だから、
「周囲よりキャリアが遅れた」ことと「人生に遅れた」ことは同じではありません。
育休によって仕事から離れた時間も、自分の人生の一部です。
周囲に追いつくことだけを考えるのではなく、復職後に**「何を大切にしながら働きたいのか」**を考えてみてもいいのではないでしょうか。
キャリアが遅れたのではなく、軸が変わったのかもしれない
長い育休を取れば、仕事上のブランクは生まれます。
復職するとき、
「仕事についていけるだろうか」
「自分がいない間に同僚が先に進んでしまった」
「昇進や評価で不利になるのではないか」
と不安になるのも自然です。
ただ、キャリアは一本道ではありません。
以前は、
研究者として専門性を高める
↓
大きな研究テーマを担当する
↓
昇進する
↓
研究者として成果を出す
という道を考えていたとしても、今は違うかもしれません。
子どもが生まれたことで、
「専門性を高めながら、家庭との時間も確保したい」
という新しい軸ができた可能性があります。
ここで、自分が仕事の何に惹かれていたのかを分解してみるのも有効です。
「研究そのものが好きだったのか」
「問題を解決することが好きだったのか」
「新しいものを生み出すことが好きだったのか」
そこが分かれば、今の会社や研究職にこだわらず、別の働き方が見えてくることがあります。
専門性を生かして転職する。
働く時間を減らす。
副業を始める。
子どもが大きくなってからキャリアを加速させる。
選択肢は一つではありません。
育休をキャリアの空白ではなく、これからの働き方を考えるきっかけにする。
そんな捉え方もできます。
妻のキャリアを優先することと、自分のキャリアを諦めることは違う
家庭によっては、妻のほうが夫より収入が高いこともあります。
また、妻の仕事を優先するために、夫が育児や家事を多く担う場合もあります。
そうした家庭では、「自分が一家の収入を最大化しなければならない」というプレッシャーは、多少小さくなるかもしれません。
だからといって、
「妻のほうが稼いでいるから、自分は仕事を適当にすればいい」
ということではありません。
考えたいのは、
「自分はどんな働き方なら、仕事と家庭の両方を大切にできるか」
ということです。
例えば、
- 昇進より専門性を重視する
- 残業を減らす
- 管理職ではなく専門職を目指す
- 家庭との時間を確保しやすい会社へ転職する
- AIなどを使って仕事を効率化する
- 子どもが小さい間は家庭を優先し、その後キャリアを再加速する
といった選択肢があります。
仕事か家庭かの二択にする必要はありません。
妻のキャリアを支えながら、自分のキャリアを築くこともできます。
※妻のほうが年収が高い家庭での働き方については、別の記事で詳しく紹介する予定です。
AIを使って、自分の考えを整理する
育休中は、自分の今後について考える時間も増えます。
そんなとき、ChatGPTなどの生成AIを「壁打ち相手」として使う方法があります。
例えば、
大学院時代は研究が好きでした。メーカーに研究員として入社しましたが、長期の育休を取ったことで、以前ほど仕事を頑張りたいと思わなくなりました。子どもとの時間は大切にしたい一方、研究や専門性を完全に捨てたいわけでもありません。
私が仕事に求めているものを、文章から推測して5つ挙げてください。
と入力する。
さらに、
私が仕事を続ける場合に考えられるキャリアを5パターン挙げてください。「収入」「家庭との時間」「専門性」「将来性」「働きやすさ」の5つで比較してください。
と聞いてみる。
AIに人生の答えを出してもらう必要はありません。
頭の中にある考えを言葉にして整理するために使うのです。
自分だけでは堂々巡りになってしまう問題も、AIとの対話を通じて整理できることがあります。
育休中だからこそ、これからの働き方を一度言語化してみるのもいいでしょう。
「仕事へのモチベーションがなくなった」は、悪いことではない
育休を取って、仕事へのモチベーションが下がった。
そんなとき、
「自分は怠けている」
「社会人としてダメになった」
「キャリアを失ってしまった」
と考えてしまうかもしれません。
でも、それは本当に「悪い変化」なのでしょうか。
子どもが生まれれば、生活も責任も変わります。
これまで仕事を中心に考えていた人が、家族との時間を大切にしたいと思うようになるのは、自然なことです。
大切なのは、以前の自分に無理に戻ろうとしないこと。
「仕事100、家庭0」に戻す必要もなければ、「家庭100、仕事0」にする必要もありません。
家族の状況や自分の価値観に合わせて、働き方を組み直せばいい。
育休で仕事へのモチベーションがなくなった。
それは、キャリアの終わりではなく、
「これからどんな働き方をしたいのか」を考え始めるタイミング
なのかもしれません。
まとめ|育休をきっかけに、働き方を見直してみる
育休をきっかけに仕事へのモチベーションがなくなったなら、次の5つを考えてみてください。
- 仕事が嫌いになったのか、優先順位が変わったのか
- 周囲との比較と、自分自身の価値を混同していないか
- キャリアが遅れたのではなく、キャリアの軸が変わったのではないか
- 妻のキャリアを優先することと、自分のキャリアを諦めることを混同していないか
- AIを使って、自分が望む働き方を整理してみる
育休は、単なるキャリアの空白ではありません。
仕事から一度離れることで、これまで見えなかったものが見えてくることもあります。
「これから自分は、どんな働き方をしたいのか」
すぐに答えを出す必要はありません。
まずは、自分にとって仕事と家庭のどちらが大切なのかではなく、仕事と家庭をどう両立したいのかを考えてみてください。
それが、育休後のキャリアを考える最初の一歩になるはずです。
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