子育て中の転職で年収が下がるのはあり?後悔しないための判断基準

働き方・生き方

子育て中に転職を考えるとき、気になるのが年収です。

今の仕事を続ければ収入は維持できる。でも、残業が多く、子どもと過ごせる時間は限られている。転職すれば働き方を変えられそうだけれど、年収が50万円、100万円と下がるかもしれない。

こうした条件を前にすると、何を優先すべきか迷います。

私自身、子どもが生まれてから、仕事に求めるものが変わりました。以前は仕事内容や収入を中心に考えていましたが、今は家族と過ごせる時間も無視できません。

とはいえ、家族との時間を増やすためなら、いくら年収が下がっても構わないとは思いません。

年収が下がる転職を受け入れられるかどうかは、減収後も家計が成り立つことと、その減収に見合う変化が得られること。この二つで判断するのが現実的だと思います。

この記事では、具体的な数字を使いながら、子育て中の転職で年収が下がる場合の判断方法を整理します。

転職そのものを迷っている方は、子育て中に転職するのは無謀?パパが転職前に考えたい5つのことも参考にしてください。

年収が下がる転職は、いくらまでなら許容できる?

最初に考えたいのは、年収が何万円下がるかよりも、毎月の生活にどの程度影響するかです。

例えば、年収600万円から550万円への転職と、400万円から350万円への転職では、同じ50万円の減収でも家計への影響が違います。

また、配偶者の収入や住宅ローン、子どもの人数によっても、受け入れられる金額は変わります。

年収が10%下がるなら問題ない、20%下がるなら危険、といった一律の基準はありません。

私なら、まず次の式で考えます。

許容できる月間の手取り減少額 = 現在の毎月の家計黒字額 − 維持したい毎月の貯蓄額

例えば、現在の家計が毎月8万円の黒字で、最低でも5万円は貯蓄したいなら、単純計算では月3万円が一つの目安になります。

ただし、これは毎月の通常収支だけを使った簡易計算です。賞与、臨時支出、税金の変動、転職直後の収入減なども別途考える必要があります。

数字にしてみると、転職で下がってもよい収入の上限が、少し具体的になります。

判断基準1|額面年収ではなく、手取りと福利厚生を比較する

転職先の求人票に年収550万円と書かれていても、現在の年収600万円との差額50万円が、そのまま手取りの減少額になるわけではありません。

所得税や社会保険料などが変わるためです。

また、給与以外の条件も見落とせません。

住宅手当がなくなる、退職金制度が変わる、賞与の支給条件が違うといった場合には、額面年収だけでは比較できません。

特に確認したいのは、基本給と賞与の内訳です。

年収が同じでも、基本給が高く賞与が少ない会社と、賞与の割合が大きい会社では、毎月の家計管理のしやすさが違います。

転職初年度は賞与が満額支給されない場合もあるため、初年度と2年目以降の収入を分けて試算すると判断しやすくなります。

判断基準2|減収によって、実際に何時間増えるのか

年収が下がる代わりに残業や通勤時間が減るなら、家族と過ごせる時間は増えるかもしれません。

例えば、次のような転職を考えてみます。

項目転職前転職後
年収600万円550万円
月の残業時間30時間10時間
片道通勤時間60分30分
年間休日120日120日

この場合、残業は月20時間減ります。

通勤時間も往復で1時間短縮されるため、月20日出勤すると仮定すれば、通勤だけで月20時間減ります。

合計すると、毎月約40時間、年間約480時間を仕事と通勤以外に使える計算です。

年収50万円の減少に対して、年間480時間が増える。

単純に割れば1時間あたり約1,042円ですが、この金額だけで転職の良し悪しを決めるつもりはありません。

増えた時間を、保育園の送迎に使えるのか。子どもが寝る前に帰宅できるのか。休日に疲れを持ち越さずに済むのか。

その具体的な変化に、自分たちがどれだけ価値を感じるかが判断材料になります。

ただし、残業時間やリモートワークの実態は求人票だけでは分からないこともあります。面接では、配属予定部署の働き方まで確認したいところです。

判断基準3|年収ダウン後の家計を試算する

収入が減ることへの不安は、実際に数字を並べてみると整理しやすくなります。

例えば、次のような家庭を想定します。

項目現在転職後
本人の年収600万円550万円
本人の月の手取り32万円30万円
住宅費12万円12万円
保育・教育費5万円5万円
毎月の貯蓄8万円6万円
片道通勤時間60分30分

※金額は比較方法を説明するための仮定です。年収から手取りへの換算結果を示したものではありません。

この例では、毎月の手取りが2万円減り、貯蓄額も8万円から6万円に減っています。

生活費を変えずに家計を維持できるなら、年収ダウンを受け入れる余地はありそうです。

しかし、貯蓄が毎月2万円減れば、年間では24万円の差になります。10年間続けば、運用益などを考慮しなくても240万円です。

住宅購入、子どもの進学、車の買い替えなどを予定している家庭では、無視できない金額でしょう。

ここで考えたいのは、毎月の生活が成り立つかだけではありません。

予定している貯蓄や将来の支出まで含めて、減収を受け入れられるか。

少なくとも、生活費を補うために毎月貯蓄を取り崩さなければならない状況なら、転職条件をもう一度見直したいところです。

判断基準4|夫婦の収入と働き方を一緒に考える

共働き家庭の場合、夫婦のどちらがどれだけ稼ぐかによって、転職の選択肢は変わります。

例えば、妻の年収が夫より高い家庭では、夫が収入を多少減らして育児を多く担うという選択も考えられます。

ただし、現在の収入差だけで役割を決めるのは避けたいところです。

妻自身が今の働き方を続けたいのか。夫は仕事をどこまで続けたいのか。子どもが成長したあと、それぞれのキャリアをどう考えているのか。

こうした話をしないまま、「妻の方が稼いでいるから夫が仕事を減らせばいい」と決めると、後から不満が出るかもしれません。

また、収入の高い方が育休や時短勤務に切り替える可能性もあります。

私は、家計を考えるときには、夫婦の年収の合計だけでなく、どちらか一方の収入が一時的に減っても生活できるかを確認しておきたいと思います。

妻の収入が高い家庭の転職については、妻の収入が高い家庭で夫が転職するとき、年収より重視したい5つの条件でも詳しく書いています。

判断基準5|5年後の収入とキャリアを想像する

転職直後の年収が下がっても、その後の昇給や昇進によって差が縮まる可能性はあります。

反対に、年収が下がったまま長期間変わらない場合もあります。

転職先の給与テーブルや昇給制度、管理職になるための条件など、確認できる情報は集めておきたいところです。

また、仕事内容が変わることで、将来の転職先が広がる場合もあれば、専門性を積みにくくなる場合もあります。

年収だけを見ていると、こうした違いを見落としがちです。

私なら、転職後の年収を楽観的に予測するより、当面は提示された条件のままだとしても、その仕事を選びたいかを考えます。

将来の昇給を前提にしなければ家計が成り立たない転職には、慎重になると思います。

年収が下がる転職を見送った方がよいケース

ここまでの条件を整理しても、転職を急がない方がよい場合はあります。

例えば、毎月の家計にほとんど余裕がなく、転職後は貯蓄を取り崩さなければ生活できない場合です。

また、住宅ローンや教育費などの支出が増える時期と重なっている場合も、減収の影響は大きくなります。

もう一つ気になるのが、転職後の働き方がはっきりしないまま、年収ダウンだけを受け入れてしまうケースです。

残業が減ると思って転職したのに、実際には忙しさが変わらなかった。

これでは収入が減っただけになってしまいます。

転職理由が今の仕事への不満だけになっているときも、条件を整理し直す時間があってよいと思います。

年収を維持しながら働き方を変える方法もある

ここまで年収が下がる転職について考えてきましたが、最初から減収を前提にする必要はありません。

同じ年収帯でも、残業時間や通勤時間、転勤の有無が異なる求人はあります。

現職で部署異動や勤務制度の変更が可能なら、転職せずに希望する働き方へ近づける場合もあるでしょう。

求人を比較するときには、年収、残業時間、通勤、転勤、在宅勤務、休日、仕事内容などを並べ、譲れない条件を決めておくと選びやすくなります。

具体的な求人の見方は、子育てを優先できる会社に転職したいパパへ|求人で見るべきポイントで紹介しています。

まとめ|年収が下がっても納得できる転職か

子育て中の転職で年収が下がること自体を、失敗だとは思いません。

仕事に使う時間を減らして、子どもと過ごす時間を増やす。転勤のない仕事に変える。これまで興味のあった仕事に挑戦する。

そうした変化に価値を感じるなら、年収が下がる転職にも十分な理由があります。

ただし、家計に無理が生じるほどの減収なら話は別です。

私なら、転職後の手取りを試算したうえで、今後の貯蓄計画に支障がないかを確認します。そのうえで、年収が下がる代わりに何が変わるのかを具体的に考えます。

子どもと過ごせる時間が増えるとしても、家計への不安が大きくなってしまえば、転職後の生活を楽しめないかもしれません。

収入を維持することも、働き方を変えることも、どちらも家族の生活に関わる選択です。

最終的には、年収が何万円下がるかよりも、その条件で家族が無理なく暮らせて、自分自身も納得して働けるかで判断したいと思います。

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