技術系Webライターとは?メーカー・研究職の経験を活かせる仕事を整理

仕事・キャリア

メーカー研究員はWebライターに向いている?専門知識を活かす副業という選択では、研究職の経験とWebライティングの相性について整理しました。

では、実際に「技術系Webライター」はどんな仕事をするのでしょうか。

Webライターというと、商品紹介や生活情報の記事を書く仕事を思い浮かべるかもしれません。しかし、企業のWebサイトには、製造技術や材料、研究開発など、専門的な内容を扱う記事もあります。

この記事では、そうした記事を書く技術系Webライターについて、仕事内容や仕事の流れ、研究職の経験をどこで活かせるのかを見ていきます。

技術系Webライターとは?

「技術系Webライター」という言葉に、統一された職業上の定義があるわけではありません。

この記事では、メーカーや製造業、科学、研究開発などの専門的なテーマについて、Web上の記事を書くライターという意味で使います。

たとえば、材料の特徴を解説したり、製造技術について説明したり、企業向けに技術情報をまとめたりする仕事です。

実際に仕事を探すときも、「技術系Webライター」という名前で募集されているとは限りません。専門ライター、技術ライター、BtoBライター、コンテンツライター、記事ライターなど、募集時の名称はさまざまです。

職種名よりも、「何について、誰に向けて書く仕事なのか」を見るほうが実態をつかみやすいでしょう。

技術系Webライターはどんな記事を書く?

技術系といっても、扱うテーマは一つではありません。

メーカー・製造業の記事

メーカーや製造業に関する記事では、製造方法や設備、製品に使われる技術、業界の基礎知識などを扱います。

たとえば、

  • 製造方法や加工技術の解説
  • 製造設備や機器の基礎知識
  • 製品に使われる技術の紹介
  • 業界や技術動向を整理した記事

などです。

メーカーで働いた経験があれば、製造業特有の言葉や仕事の流れを理解しやすいこともあります。

化学・材料の記事

化学や材料をテーマにした記事なら、

  • 素材の特徴や用途
  • 材料技術の解説
  • 化学物質に関する基礎知識
  • 新しい材料や技術の紹介

などが考えられます。

専門性が高いテーマほど、言葉の意味を知っているだけでなく、情報の根拠を確認することも重要になります。

特に安全性や健康などに関係するテーマでは、専門知識があるからといって自分の判断だけで断定せず、信頼できる情報源を確認しながら書く必要があります。

BtoB向けの記事

メーカー勤務の人にとってイメージしやすいのが、企業向けのBtoB記事です。

たとえば、

  • 製品や技術の基礎を解説する
  • 技術を導入するときの考え方を説明する
  • 業界が抱える課題を整理する
  • 技術資料の内容をWeb記事として分かりやすくする

といった内容です。

こうした記事を読むのは、その分野の研究者や技術者だけではありません。営業、購買、企画など、技術を専門としていない人が読むこともあります。

そのため、専門的に正しいだけでは十分ではありません。

「この説明で、想定している読者に伝わるか」を考えながら書く必要があります。

科学・研究分野の記事

研究や科学そのものを扱う記事もあります。

研究テーマの解説、科学に関する情報の紹介、論文や公的資料をもとにした解説などです。

ここでは論文を読む力や、複数の情報を比較する経験を使えることがあります。

ただし、論文を理解して記事にすることと、論文の文章や図表をそのまま使うことは別です。引用や著作権への配慮も必要になります。

誰から仕事を受けるのか

技術系の記事を書く仕事は、Webメディアから直接依頼されるものだけではありません。

たとえばメーカーなどの事業会社が、自社サイトで技術情報を発信するとします。

その企業がライターへ直接依頼する場合もあれば、記事制作をWeb制作会社や編集プロダクションなどへ依頼し、そこからライターへ仕事が発注される場合もあります。

つまり、

記事を公開する企業→ライター

という場合もあれば、

記事を公開する企業→制作会社・編集会社→ライター

という場合もあります。

副業として仕事を探す場合にはクラウドソーシングなどを利用する方法もありますが、具体的な探し方は次の記事で扱います。

一般的なWebライターとは何が違う?

技術系Webライターも、文章を書いて読者へ情報を伝えるWebライターであることに変わりはありません。

違いが出やすいのは、扱う情報と想定する読者です。

観点一般的なWebライティング技術・専門系Webライティング
テーマ幅広い特定の専門分野
前提知識案件による専門知識を使えることがある
情報収集Web上の情報など論文・公的資料・技術資料なども使う
読者一般消費者など一般読者・企業担当者・技術者など
書き方分かりやすく伝える正確さと分かりやすさの両方を意識する

ただし、両者にはっきりした境界線があるわけではありません。

一般向けの記事でも専門的な調査が必要になることはありますし、技術系の記事でも基礎的な内容を分かりやすく説明することがあります。

技術系だから上、一般向けだから簡単、という関係でもありません。

技術系Webライターは記事を書く以外に何をする?

「Webライター=文章を書く仕事」と考えると、実際の作業との間に少しズレがあります。

文章を書き始める前にも仕事があります。

一例を挙げると、次のような流れです。

  1. テーマや依頼内容を確認する
  2. 誰に向けた記事なのかを確認する
  3. 必要な情報を調べる
  4. 記事の構成を考える
  5. 執筆する
  6. 内容や出典を確認する
  7. 納品する
  8. 必要に応じて修正する

たとえば「ある材料の特徴について3,000字で解説してほしい」と依頼されたとします。

いきなり3,000字を書き始めるわけではありません。

誰が読む記事なのか、何を知りたい読者なのかを確認し、必要な資料を探します。そのうえで、「どの順番なら理解しやすいか」を考えて見出しを組み立て、文章にしていきます。

書き終えた後には、数字や固有名詞、出典なども確認します。

案件によっては、構成が最初から用意されていたり、参考資料が支給されたりすることもあります。反対に、テーマだけ渡されて調査から構成、執筆まで担当する仕事もあります。

取材や画像選定、WordPressなどへの入稿が含まれる場合もあります。

つまり、実際の仕事では「書く」以外の作業にも時間がかかります。

研究職の経験は仕事のどこで使える?

ここまでの仕事の流れに、研究職で経験してきた業務を当てはめてみます。

研究職での経験Webライティングで使える場面
文献・技術情報の検索記事を書く前のリサーチ
論文・公的資料を読む情報や根拠の確認
研究報告書を書く情報整理・執筆
研究発表・技術説明読者に合わせた説明
データ解析数値やグラフの読み取り
専門知識技術内容の理解

特に「調べる→整理する→文章にする」という流れは、研究の仕事と重なる部分があります。

一方で、目的は違います。

研究報告では研究内容を正確に共有することが目的でも、Web記事では「読者が知りたいことに答える」ことが求められます。

研究職で培った能力をそのまま使うというより、Web記事を書くために使い方を変えていくイメージに近いでしょう。

専門知識があるだけでは仕事にならない

技術系Webライターというと、「詳しい分野があれば書ける」と考えたくなります。

しかし、依頼者が求めているのは、知識をたくさん持っている人とは限りません。

たとえば、自分の専門分野について5,000字書けたとしても、依頼されたテーマから外れていれば記事としては使えません。

反対に、知っていることをすべて書く必要もありません。

読者が知りたいのが基礎的な内容なら、専門家にとっては当たり前のことを丁寧に説明したほうが役立ちます。

必要なのは、

「自分が何を知っているか」ではなく、「この読者に何を伝える必要があるか」

という視点です。

ここは、研究報告書を書くときとの大きな違いの一つです。

同じテーマでも、読者が変われば記事は変わる

たとえば「半導体材料」について書くとします。

材料を研究している技術者に向けた記事なら、ある程度の専門用語を前提にして書けます。

一方、メーカーの営業担当者や購買担当者が読む記事なら、技術的な背景を説明しながら、業務との関係が分かるように書く必要があります。

一般読者が対象なら、「そもそも半導体材料とは何か」というところから説明することもあるでしょう。

テーマは同じでも、記事は同じになりません。

技術系Webライターに求められるのは、難しい内容を難しく書くことではなく、読者に合わせて情報の深さを調整することです。

研究発表や他部署への説明で、相手に合わせて説明内容を変えてきた経験があれば、その感覚を活かせる部分があります。

技術系Webライターとテクニカルライターは同じ?

似た言葉に「テクニカルライター」があります。

テクニカルライターは、製品のマニュアルや取扱説明書など、技術的な情報を読み手に伝える文書を作成する仕事を指すことがあります。

一方、この記事で扱っている「技術系Webライター」は、メーカーや科学、研究開発などの専門テーマについて、Web上の記事やコンテンツを書く仕事を中心に考えています。

実際には仕事内容が重なることもあり、名称の使われ方も企業や案件によって異なります。

仕事を探すときには、「技術ライター」「テクニカルライター」といった職種名だけで判断せず、募集されている仕事内容を確認したほうがよいでしょう。

専門ライターなら高く稼げるとは限らない

専門分野の記事を書くからといって、必ず高い報酬になるわけではありません。

報酬はテーマだけでなく、必要な調査量、記事の長さ、構成作成や取材の有無、執筆経験などによって変わります。

そのため、「専門知識があるから高単価の案件を取れる」と考えるより、まずは自分の経験をどのテーマで活かせるのかを整理するほうが現実的です。

本業の情報を使うこととは別

研究職の経験を活かすといっても、勤務先の研究内容を記事にするわけではありません。

未公開の研究内容、実験データ、顧客情報、社内資料、研究ノウハウなど、本業で扱う非公開情報は副業と切り分ける必要があります。

自分の専門分野に近い記事を書くほど、「自分が持っている一般的な知識」と「勤務先が管理している情報」の区別は重要になります。

技術系Webライターの仕事が分かったら、次はどう始めるか

技術系Webライターは、専門知識を文章にするだけの仕事ではありません。

依頼されたテーマについて調べ、読者に必要な情報を選び、理解しやすい順番に整理して文章にする。記事によっては、出典の確認や修正対応まで含まれます。

研究職で経験してきた「調べる」「整理する」「説明する」といった作業と重なる部分はありますが、Web記事にはWeb記事の書き方があります。

では、研究職の会社員が副業として始めるなら、最初に何をすればよいのでしょうか。

次の記事では、書けるテーマの整理から文章の練習、実際に仕事を探すまでの流れを具体的に見ていきます。

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