技術系Webライターとは?メーカー・研究職の経験を活かせる仕事を整理では、技術系Webライターの仕事内容について紹介しました。
では、実際に副業として始めるなら、何から手をつければいいのでしょうか。
すぐに案件を探す方法もありますが、研究職の経験を活かしたいなら、その前に「自分は何について書けるのか」を整理しておきたいところです。
研究員として働いていても、自分の仕事がWebライティングとどうつながるのかは意外と見えにくいものです。
この記事では、勤務先のルールを確認するところから、実際に記事を書き、仕事を探すところまでを順番に整理します。
STEP1 本業の副業ルールを確認する
最初に確認するのは、ライティングの技術ではなく勤務先のルールです。
副業についての決まりは会社によって違います。就業規則や社内規定を見て、副業が認められているか、届出や申請が必要か、競業や秘密保持についてどのような決まりがあるかを確認します。
技術系Webライターでは、本業に近いテーマを書くことも考えられます。
研究員として身につけた知識を活かすことと、勤務先の情報を使うことは別です。未公開の研究内容や実験データ、顧客情報、社内資料など、本業で扱う非公開情報を副業に持ち出さないことは大前提です。
会社が契約している有料データベースや業務用ツールについても、副業で自由に使えるとは限りません。
まずは、本業と副業の境界を確認するところから始めます。
STEP2 「自分は何を書けるか」を整理する
ここは、研究職からWebライターを始めるうえで少し時間をかけたいところです。
「メーカーで研究をしているから、科学や技術について書ける」
これだけでは、まだ範囲が広すぎます。
たとえば材料研究をしているなら、
材料→樹脂→電子材料→半導体関連
というように、自分が理解できる領域を少しずつ具体的にしてみます。
専門分野だけでなく、普段やっている仕事から考える方法もあります。
| 視点 | これまでの経験の例 |
| 専門分野 | 化学、材料、食品、機械、電気など |
| 業務 | 文献調査、実験、分析、データ解析、技術説明など |
| 読んできた資料 | 論文、公的資料、技術資料、仕様書など |
| 説明してきた相手 | 研究者、営業、顧客、管理職など |
たとえば、専門分野そのものはかなり狭くても、「論文を探して内容を整理する」「技術内容を専門外の人へ説明する」といった経験なら、別のテーマでも使えることがあります。
ここで探したいのは、勤務先の研究内容ではなく、公開情報だけを使って自分が説明できるテーマです。
「何を研究しているか」だけでなく、「その仕事の中で何をしてきたか」まで分けて考えると、書けそうなテーマを見つけやすくなります。
STEP3 研究報告書とは違う「Webの書き方」を知る
研究報告書や技術資料を書いた経験があっても、それだけでWeb記事を書けるとは限りません。
メーカー研究員はWebライターに向いている?専門知識を活かす副業という選択でも触れたように、研究報告書とWeb記事では読み手も目的も違います。
最初からSEOを細かく勉強する必要はありません。
まず意識したいのは、
- 誰が読むのか
- その人は何を知りたいのか
- どんな順番なら理解しやすいか
- 専門用語をどこまで説明するか
- 何を根拠として使うか
といった部分です。
たとえば「○○材料とは?」と検索した人に向けて書くなら、その人が最初に知りたいのは詳しい研究の歴史ではなく、「そもそも何なのか」「どんな特徴があるのか」でしょう。
研究報告書では、自分たちが検討した内容を正確に伝えることが中心になります。Web記事では、読者が知りたいことから逆算して内容を組み立てます。
この違いが分かったら、勉強を続けるより一度書いてみます。
STEP4 仕事を受ける前に1本書いてみる
テーマは、公開情報だけで調べられて、自分がある程度理解しているものを選びます。
たとえば、
- ○○材料とは?
- ○○分析法はどんな方法?
- ○○製造技術はどんな仕組み?
といったテーマです。
勤務先で扱っている具体的な製品や研究テーマを題材にする必要はありません。
書くときは、
タイトル→導入→見出し→本文→まとめ→参考情報
くらいの形で十分です。
文字数も、最初から何千字と決めなくて構いません。目的は長い文章を書くことではなく、一つの記事を最後まで作ることです。
実際に書いてみると、「内容は分かっているのに説明するのが難しい」「調査に思ったより時間がかかる」「文章より構成を考えるほうが難しい」といったことが見えてきます。
反対に、「資料を探して整理する作業はそれほど苦にならない」と気づくこともあるでしょう。
この一記事が、次に何をすればいいのかを考える材料になります。
1本書いたら「何が難しかったか」を確認する
書き終えたら、文章の出来だけではなく、どこで手が止まったのかも振り返ってみます。
たとえば、必要な情報はすぐに集められたのに、記事の構成を作るところで時間がかかったなら、足りないのは専門知識ではなくWeb向けの構成力かもしれません。
文章にはできたものの、「これで読みやすいのか分からない」と感じたなら、文章の組み立て方や推敲について学ぶ余地があります。
反対に、文章を書くことより、資料を探したり複数の情報を比較したりする作業のほうが面白かったなら、Webライター以外にも目を向けられます。
一度書いてみると、その後の方向を分けて考えられます。
- 書くこと自体はできた → 実際の案件を見てみる
- 構成や文章で迷った → Webライティングをもう少し学ぶ
- SEOが分からなかった → 必要な範囲から学ぶ
- 調査のほうが得意だった → 文献調査・技術リサーチも考える
- データを扱うほうが得意だった → データ分析という方向も考える
最初から「Webライターになる」と決める必要はありません。
実際に一つやってみて、自分に足りないものや、得意そうな作業が分かってから次を決める方法もあります。
STEP5 人に見せられる文章を用意する
Webライターとして仕事を探すなら、「どんな文章を書けるのか」を見せられるようにします。
ここで会社の研究報告書や技術資料を使うのではなく、自分で作った記事をサンプルにします。
最初から立派なWebサイトを作る必要もありません。
まずは、
- 自分が書けるテーマ
- これまでの業務経験
- サンプル記事
- 対応できる作業
が分かる程度で十分です。
ブログを作って記事を公開する方法もありますが、Webライターを始めるためにWordPressが必須というわけではありません。
この段階では、「自分はこういう内容を書けます」と相手に示せるものを用意することを優先します。
STEP6 実際の案件を見てみる
準備ができたら、クラウドソーシングや副業求人、企業やメディアのライター募集などで仕事を探します。
すぐに応募先を決めなくても、どんな条件で募集されているのかを見るだけでも参考になります。
確認したいのは報酬だけではありません。
テーマ、想定読者、調査範囲、構成作成の有無、納期、修正対応、実績公開の可否なども見ます。
特に技術系の記事では、執筆より調査に時間がかかることもあります。
文章を書く時間だけでなく、資料を探すところから修正まで、全部でどのくらい時間がかかりそうかを見るほうが実態に近くなります。
使える時間が限られる子育て中の副業では、報酬と一緒に確認しておきたい点です。
Webライティング講座は最初から必要?
Webライターを始めるために、最初から講座やスクールへ申し込む必要はありません。
まず一本書いてみると、自分に足りないものが見えてきます。
構成を作れないのか。文章をどう直せばいいか分からないのか。SEOについて学びたいのか。
そこまで分かってから、本、Web上の情報、オンライン講座などから学び方を選べます。
反対に、自分で調べながら書けるのであれば、すぐに講座を使う必要はないでしょう。
先にサービスを選ぶのではなく、何を学ぶ必要があるのかを先に知る。
そうすれば、独学で進めるのか、体系的に学ぶのかも判断しやすくなります。
子育て中なら、使える時間も先に考えておく
副業に使える時間は、家庭によって違います。
平日の夜に少しずつ進めるのか、休日にまとまった時間を取るのか。毎週同じ時間を確保できるのか。
Webライティングには納期があるため、「時間ができたら書く」だけでは進めにくい仕事でもあります。
子どもの体調などで予定が変わることも考えながら、自分が無理なく使える時間を基準に受ける仕事の量を考えます。
副業の時間を確保することで、配偶者の家事や育児の負担が一方的に増えないかも確認しておきたいところです。
最初から「月○万円」を目標にしなくてもいい
副業なので、どのくらい収入になるのかは気になるところです。
ただ、Webライターを一度も経験していない段階では、まずサンプル記事を1本完成させるところから始めてもいいでしょう。
その次に案件を見る。自分に合いそうな仕事があれば応募する。仕事を受けられたら、まず一つ最後まで納品する。
そこまで進めば、作業にかかる時間や、自分との相性も少しずつ見えてきます。
続けるのか、さらにWebライティングを学ぶのか。それとも、研究職の別の経験を副業に使うのか。
判断するのは、その後でも遅くありません。
まずは「書けるもの」を一つ作る
研究職の会社員が技術系Webライターを始めるなら、最初にやることは案件への応募ではありません。
勤務先のルールを確認したら、自分の専門分野やこれまでの業務を振り返り、公開情報だけで書けそうなテーマを一つ探す。
そして、そのテーマで実際に一本書いてみる。
ここまでやると、「Webライターに興味がある」という段階から一歩進んで、自分に足りないものも見えてきます。
文章の構成をもっと学びたいなら、Webライティングを学ぶ。書くこと自体に手応えがあれば、実際の案件を探してみる。
一方で、「書くことより、情報を探して整理する作業のほうが自分には合っている」と感じる人もいるでしょう。
研究職の経験を活かせる副業は、Webライティングだけではありません。
次の記事では、研究員が普段行っている「調べる」という仕事に焦点を当てます。
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