データ分析を副業にするには何を学ぶ?Excel・統計・Pythonの必要性を整理

仕事・キャリア

データ分析を副業にしようと調べると、Pythonという言葉をよく見かけます。

「データ分析なら、まずPythonを覚えたほうがいいのでは?」

そう考える人もいるでしょう。

ただ、研究員のデータ分析経験は副業に活かせる?Excel・統計から考えるで見たように、Excelによるデータ整理や集計、グラフ作成、統計解析にも実際に仕事があります。

一方で、本格的なデータアナリストの求人を見ると、PythonだけでなくSQLやExcel、分析経験などを組み合わせて求める例があります。現在の求人でも、Python・R・SQLを使いながら、データの抽出、分析、可視化、結果の解釈や施策提案まで担当する仕事が確認できます。

つまり、

「データ分析をしたい=Pythonを勉強する」

ではありません。

先に考えたいのは、何ができるようになりたいのかです。

「何を学ぶか」より「何をしたいか」を先に決める

同じデータ分析でも、仕事の中身はかなり違います。

たとえば、

  • Excelに入ったデータを整理する
  • 売上やアンケートを集計する
  • グラフを作る
  • 統計解析をする
  • 分析結果をレポートにする
  • 毎回繰り返しているExcel処理を自動化する
  • データベースから必要なデータを取り出す
  • データをもとに課題や改善案を考える

これらをすべて「データ分析」と呼ぶことはできますが、必要なスキルは同じではありません。

Excelで対応できる仕事もあります。

統計の理解が必要な仕事もあります。

大量のデータを処理したり、作業を自動化したりするならPythonが役立つことがあります。

企業のデータベースを直接扱うならSQLが必要になることもあります。

だから、

やりたい仕事→今できること→足りないこと→学ぶこと

の順番で考えます。

Excelを深めるという選択肢

研究員なら、すでにExcelを仕事で使っている人もいるでしょう。

実験データを整理する。関数で計算する。条件ごとに集計する。グラフを作る。

この延長にある仕事なら、いきなりプログラミング言語を覚える必要はありません。

たとえば、

  • 関数を使った集計
  • ピボットテーブル
  • データの整形
  • グラフ作成
  • 複数データの整理

などです。

前の記事で確認したように、Excelによる集計・分析・グラフ作成を有料で提供している実例もあります。

つまり、Excelは「Pythonを覚えるまで使う初心者向けの道具」ではありません。

やりたい仕事によっては、そのまま使う道具です。

すでにExcelを仕事で使っているなら、新しいスキルをゼロから増やす前に、自分がExcelでどこまでできるのかを確認するところからでも構いません。

統計を学び直したほうがいいのはどんな人?

データ整理だけでなく、統計解析まで扱いたいなら、Excelの操作とは別に統計の理解が必要です。

平均や標準偏差を出すだけでなく、

  • 相関
  • 回帰分析
  • t検定
  • カイ二乗検定
  • 分散分析

などを使う場面があります。

ただし、分析ソフトで計算できれば仕事になるわけではありません。

たとえば、

「AとBに違いがあるか知りたい」

という依頼を受けた場合、何を比較するのか、どの方法を使うのか、その分析を使ってよいデータなのかを考える必要があります。

結果について、

「この数字から何が言えるのか」

を説明することも求められます。

研究で統計を使っているなら、

統計解析を実行した経験がある

だけなのか、

分析方法を自分で選び、結果を解釈して説明してきた

ところまで経験しているのか。

ここを分けて考えると、自分に足りないものが見えてきます。

Pythonが役立つのは「Excelでは面倒になってきた」とき

Pythonを学ぶ理由は、AIや機械学習だけではありません。

研究員なら、こちらのほうが身近かもしれません。

測定装置からCSVを出す。

不要な部分を削除する。

必要な列だけ取り出す。

同じ計算をする。

グラフを作る。

翌週、新しいデータでも同じ作業をする。

こうした処理を毎回手作業で行っているなら、Pythonを使って一連の処理をまとめる方法があります。

たとえばPythonのデータ分析でよく使われるpandasでは、ExcelやCSVなどからデータを読み込み、抽出、集計、加工するといった処理ができます。

つまり、

Pythonを勉強したから自動化する

のではなく、

繰り返している作業を自動化したいからPythonを覚える

という順番です。

こう考えると、学ぶ範囲もかなり絞れます。

Pythonを学べばデータ分析の仕事ができる?

ここは分けて考える必要があります。

Pythonの文法を書けることと、データ分析の仕事ができることは同じではありません。

現在募集されているデータアナリスト職を見ると、PythonだけでなくSQLも使い、データの抽出・可視化・分析から結果の報告、施策提案まで担当する求人があります。

また、Python・SQLに加えてGit/GitHubなどを実務環境として使っている求人も確認できます。

企業が必要としているのは、Pythonの文法そのものではなく、Pythonなどを使ってデータから何かを明らかにできる人だからです。

そのため、

「Pythonを勉強しました」

だけで終わらせないことも、その先のキャリアを考えるなら意識しておきたいところです。

学んだら「成果物」を一つ作ってみる

ここは、副業だけでなく転職まで考える人には特に意味があります。

Pythonやデータ分析を勉強したら、学習した内容を使って一つの分析を最後まで完成させます。

たとえば公開データを使って、

課題を決める→データを読み込む→整理する→分析する→グラフにする→結果を考察する

ところまで進めます。

研究員なら、これまで本業で似た流れを経験している人もいるでしょう。

違うのは、勤務先のデータではなく、誰に見せても問題のない公開データなどを使う点です。

たとえば、

「Pythonを学習しました」

と履歴書に書くだけでは、どこまで使えるのかは伝わりにくいでしょう。

一方、

公開データをPythonで前処理し、条件ごとに集計・可視化して、結果をレポートにまとめた

という成果物があれば、何をどこまで自分で行ったのかを具体的に説明する材料になります。

転職で必ず評価されるとまでは言えません。

ただ、現在のデータアナリスト求人では、PythonやSQLを使うだけでなく、分析設計、可視化、結果解釈、提案までを仕事として求める例があります。

そのため成果物も、コードだけを置くより、

何を知りたかったのか→どんなデータを使ったのか→どう処理したのか→何が分かったのか

まで見える形にしたほうが、実際の仕事とのつながりを説明しやすくなります。

研究員なら「分析した経験」とPythonをつなげる

研究職から別の職種へ移ることまで考えるなら、ここは特に意識したい部分です。

研究員には、Python未経験でも、

仮説を考える→実験する→データを取る→整理する→分析する→結果を解釈する→報告する

という経験がある人もいます。

これはデータ分析の仕事と完全に同じではありません。

しかし、

「Pythonを使ったことがありません」

で終わらせるのではなく、

これまで研究で行ってきた分析プロセスに、新しくPythonという道具を追加する

という考え方はできます。

たとえば成果物を作るなら、単にPythonの練習問題を解くより、

「研究でやってきたデータ分析に近い流れを、公開データで再現する」

という方法もあります。

これなら、これまでの研究経験と新しく学んだスキルが分断されません。

成果物はどんな形にする?

最初から大規模な機械学習モデルを作る必要はありません。

たとえば公開データを使って、

  1. 分析したいテーマを決める
  2. ExcelやCSVデータを読み込む
  3. pandasなどでデータを整理する
  4. 必要な集計や統計解析をする
  5. グラフを作る
  6. 分かったことを文章でまとめる

くらいでも、一連の流れを経験できます。

コードを公開できる内容ならGitHubなどで管理する方法もあります。

実際のデータ分析職でもGit/GitHubを開発・分析環境として使用している求人があります。

ただし、GitHubにコードを置けば転職できる、という意味ではありません。

成果物の目的は、「勉強した証拠を作る」より、「自分がデータをどう扱えるのかを説明できる状態にする」ことです。

これは副業でも同じです。

依頼者に「Pythonできます」と伝えるより、実際にどんな処理・分析をしたことがあるのかを見せられるほうが、対応できる範囲を説明しやすくなります。

SQLやBIツールまで全部学ぶ必要はある?

データ分析職の求人を見ると、Python以外にもさまざまなツールが出てきます。

SQL、Tableau、Power BI、Looker Studioなどです。

現在の求人でも、Python・SQLに加え、Tableauなどを使ってデータを可視化する仕事があります。

だからといって、最初から全部学ぶ必要はありません。

副業でExcelのデータ整理をしたい人と、将来データアナリストへ転職したい人では、必要な学習範囲が違います。

ここでも、

目的→必要なスキル

の順番です。

副業と転職では、学び方も少し変わる

ここまでを整理すると、同じデータ分析の学習でも目的によって方向が変わります。

目的学ぶ候補作っておきたいもの
Excel作業を副業にしたいExcel・データ整理集計表・グラフ等
統計解析を扱いたい統計+Excel等分析結果+説明
Excel作業を自動化したいPython自動処理できるコード
データ分析を副業にしたいPython・統計等公開データの分析例
データ分析職への転職も考えるPython・SQL・統計等分析プロセスが分かる成果物

転職を考えているからといって、表にあるものを全部覚えればいいわけではありません。

実際の求人では、分析技術だけでなく、課題設定や結果の解釈、施策提案まで含む仕事もあります。

だからこそ、資格や講座の修了だけではなく、自分で一つの分析を最後までやった経験にも意味があります。

教材を選ぶのは「何を作るか」が決まってから

ここまで決まってから、学習方法を選びます。

たとえば、

「Pythonを学びたい」

ではなく、

公開されているCSVデータをPythonで読み込み、pandasで整理・集計して、グラフを作り、分析結果を説明できるようになりたい

まで具体化します。

すると、必要なのはPythonのすべてではありません。

まずは、

  • Pythonの基本
  • pandasによるデータ処理
  • グラフ作成
  • 必要に応じた統計
  • Git/GitHubの基本

などに絞ることができます。

そのうえで、本、無料教材、動画、オンライン講座などから学び方を選べます。

先に講座を決める必要はありません。

Excel・統計・Pythonのどれを学ぶ?

最後に整理します。

やりたいこと学ぶ候補
データ整理・集計Excel
グラフ・簡単な分析Excel
統計解析統計+Excel等
繰り返し処理の自動化Python
CSV・大量データの加工Python
データ分析を副業にするPython・統計等+成果物
データ分析職への転職も考えるPython・SQL・統計等+成果物

PythonがExcelの上位版というわけではありません。

研究員がデータ分析を学ぶなら、今までやってきたことを捨てて一から別の職種を目指すのではなく、

研究で培った分析経験+足りないツール+それを実際に使った成果物

という組み合わせで考える方法があります。

では、研究員がPythonを学ぶと、本業・副業・転職で具体的に何が変わるのでしょうか。

次の記事では、Pythonそのものに焦点を当てます。

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