研究員がPythonを学ぶには?データ分析の成果物を作るまでの6ステップ

仕事・キャリア

Pythonの入門書を一冊終えた。

動画を見ながらコードも書いた。

それでも、「Pythonで何ができますか?」と聞かれると、うまく答えられない。

Pythonを学び始めると、こうした状態になることがあります。

前の記事データ分析を副業にするには何を学ぶ?Excel・統計・Pythonの必要性を整理では、やりたい仕事によってExcel・統計・Pythonのどれを学ぶべきかが変わると考えました。

では、そこで「Pythonを学んでみよう」と決めたら、どこを目標にすればいいのでしょうか。

研究員なら、最初の目標をPythonの勉強を終えることではなく、自分でデータを一つ分析して成果物にすることに置く方法があります。

しかも、研究経験とは無関係なものをゼロから作る必要はありません。

普段の研究で行っている、

問いを立てる→データを見る→整理する→比較する→結果を解釈する

という流れを、公開データとPythonで一度やってみます。

STEP1:最初に「Pythonで何を作るか」を決める

前稿では「まずPythonの基礎を学ぶ」から始めていました。

順番を逆にします。

先に成果物を決めます。

たとえば、

公開されている製造業のデータを使って、業種ごとの変化を比較してグラフにする

でも構いません。

あるいは、

複数のCSVを読み込み、必要なデータだけを取り出して、一つの表に自動でまとめる

でもいいでしょう。

ここで高度なテーマを選ぶ必要はありません。

最初に決めるのは、

「Pythonを勉強する」ではなく、「Pythonで○○をする」

です。

これを決めると、学習範囲を絞れます。

CSVを読み込むなら、その方法を覚える。

条件ごとに集計したいなら、その処理を覚える。

グラフを作りたいなら、必要になったところで可視化を学ぶ。

最初からPython全体を勉強する必要がなくなります。

STEP2:研究で普段やっている分析を分解する

研究員の場合、Pythonは初めてでも、データを扱うこと自体は初めてではない人もいます。

そこで、普段の仕事を一度分解します。

たとえば実験後に、

測定データを取得する
↓
Excelへまとめる
↓
不要なデータを確認する
↓
条件ごとに集計する
↓
グラフを作る
↓
条件間を比較する
↓
結果を考察する

という作業をしているとします。

これをPythonに置き換えると、

研究で行っていることPythonで行うこと
CSVをExcelで開くpandasで読み込む
必要な列を抜き出す列を選択する
条件ごとに分ける抽出・グループ化する
平均値などを計算する集計する
Excelでグラフを作るPythonで可視化する
条件間を比較する数値・グラフから比較する
結果を報告する分析結果を文章でまとめる

こうすると、「Pythonという新しい分野をゼロから勉強する」という感覚が少し変わります。

自分がすでに行っているデータ処理を、別の道具で再現するという見方ができます。

ここが、研究員がPythonを学ぶときの出発点になります。

STEP3:必要になったPythonだけ覚える

作りたいものと作業の流れが決まったら、そこで初めてPythonを学びます。

たとえば最初の成果物なら、

  • Pythonの基本的な書き方
  • pandasでCSVを読み込む
  • 行や列を選ぶ
  • データを並べ替える
  • 条件で抽出する
  • 集計する
  • グラフを作る

といった範囲から始められます。

途中で同じ処理を繰り返すなら、繰り返しや関数について調べる。

欠損値が出てきたら、その扱い方を調べる。

分析に統計が必要になったら、そこで必要な手法を確認する。

作る→分からない→学ぶ→また作る

という進め方です。

この段階では、機械学習もSQLも必須ではありません。

将来必要になるとしても、最初の成果物に必要がなければ後回しにできます。

STEP4:教材のデータではなく、公開データを自分で扱う

教材の例題をそのまま再現できるようになったら、次はデータを変えます。

ここが一つの境目です。

教材では、

「このCSVを読み込んでください」

「この列を使って平均を出してください」

と、やることが最初から決まっています。

実際に自分で分析すると、

「どのデータを使えばいい?」

「この列は何を意味している?」

「単位が違うけれど、そのまま比較していい?」

「欠けているデータはどうする?」

という問題が出てきます。

研究員には、この部分にすでに経験がある人もいるでしょう。

実験でも、数字が出たからそのまま結論にするわけではありません。

測定条件を確認する。

外れた値があれば理由を考える。

比較条件が妥当かを見る。

Pythonを書く前後でデータそのものを見る。

ここは、プログラミングの教材だけでは身につきにくい部分であり、研究経験を使いやすいところです。

なお、成果物には勤務先の実験データ、顧客情報、社内資料、未公開研究などは使わず、公開が認められているデータを使用します。

STEP5:「グラフができた」で終わらせない

Pythonでデータを読み込み、グラフまで作れた。

ここで成果物を完成にしないこともポイントです。

研究であれば、グラフを作ったあとに、

「この差は何だろう」

「予想していた結果と違う」

「この条件だけ傾向が違う」

と考えるはずです。

成果物でも同じように、

何を調べたかったのか↓どんな結果になったのか↓そこから何が言えるのか↓このデータだけでは何が言えないのか

まで書きます。

たとえば、

2015~2025年の○○データを比較したところ、Aでは増加傾向が見られた。一方、今回使用したデータだけではその原因までは判断できない。

というような形です。

ここまで来ると、単なるPythonの練習から「データを分析したもの」に近づきます。

コードが複雑かどうかより、なぜその処理をして、その結果をどう読んだのかを説明できるほうが、この成果物では意味があります。

STEP6:他人が見ても分かる形にする

最後に、分析した内容を一つにまとめます。

たとえば、

タイトル

○○データをPythonで分析

目的

何を知りたくて分析したのか。

使用データ

どこから取得した、どのデータなのか。

処理

データをどのように整理したのか。

分析・可視化

何を比較し、どんなグラフを作ったのか。

結果・考察

何が分かったのか。何は判断できないのか。

使用したもの

Python、pandas、Matplotlibなど。

これらとコードをまとめます。

Jupyter Notebookで文章とコードを一緒に残してもいいですし、公開できる内容ならGitHubを使う方法もあります。

GitHubを使う場合も、コードだけを置くのではなく、READMEを見れば「何をしたものなのか」が分かるようにしておきます。

GitHubに公開すれば転職で評価される、という意味ではありません。

目的は、自分がPythonで何をしたのかを、他人に説明できる状態にすることです。

研究員なら「分析テーマ」に専門性を少し残す

成果物を作るためだけなら、有名なサンプルデータを使う方法もあります。

ただ、研究員としての経験も今後のキャリアに活かしたいなら、テーマ選びを少し工夫できます。

たとえば、

  • e-Statの製造業関連統計を比較する
  • 科学技術・研究開発に関する公開統計を可視化する
  • 環境・エネルギー関連の公開データを分析する
  • 公開されている材料・物性データを整理する

などです。

自分が背景を理解できる分野なら、単にコードを書く以上に、「この数字をどう見るか」という部分でこれまでの経験を使えます。

研究員がPythonを学ぶメリットを考えるとき、研究経験を消してPythonだけの人になる必要はありません。

これまで扱ってきた分野と、新しく覚えた道具を組み合わせる方法があります。

成果物は副業と転職で同じように使うものではない

ここは分けて考えておきたいところです。

副業で依頼を受ける場合、相手が知りたいのは、

この人に頼めば、自分のデータを整理・分析してもらえるか

です。

そのため、成果物では「どんな処理ができるか」が伝わることに意味があります。

一方、転職では応募先によって求められる経験が違います。

個人で作った成果物が実務経験の代わりになるわけではありません。

ただ、

Pythonを勉強しました

だけではなく、

公開データを自分で選び、Pythonで前処理・集計・可視化を行い、結果をまとめた

と説明する材料にはできます。

さらに研究職でデータの取得・分析・考察を経験しているなら、

研究での分析経験+ Pythonで作った成果物

という形で、自分がこれまでしてきた仕事と新しく学んだことをつなげて説明できます。

1本完成させると「次に学ぶこと」が変わる

成果物を一つ完成させたら、すぐ次の教材へ進む必要はありません。

まず、どこで一番時間がかかったのかを振り返ってみます。

Pythonの書き方で何度も止まったなら、基礎を補う。

pandasで思ったようにデータを加工できなかったなら、データ処理を深める。

コードは書けたのに分析方法が分からなかったなら、統計やデータ分析そのものを学ぶ。

一人で問題を調べながら最後まで完成できたなら、別のデータでもう一本作ってみる。

ここまでやって初めて、

「自分は次に何を学ぶ必要があるのか」

が具体的になってきます。

そして、もう一つ分かることがあります。

この先も独学で進められそうかどうかです。

Pythonは必ずスクールで学ぶ必要はない

Pythonを学ぶために、最初からスクールへ通う必要があるとは限りません。

本や動画、無料の学習サービスなど、独学で利用できる教材はたくさんあります。

分からないことを自分で調べながら成果物を完成させられるのであれば、そのまま独学を続ける方法も十分に考えられます。

一方で、実際に成果物を作ろうとすると、

  • 何から勉強すればいいのか分からない
  • エラーの原因を調べるだけで何時間もかかる
  • 教材は終えたのに、自分でコードを書こうとすると止まってしまう
  • 転職まで考えると、何をどこまで学べばいいのか判断できない

といったところで進まなくなることもあります。

特に、会社員として働きながら子育てもしている場合、学習に使える時間には限りがあります。

そのため、独学にこだわること自体を目的にする必要もありません。

自分で進められるところは独学で進め、難しい部分については体系化された教材や第三者のサポートを利用する、という方法もあります。

一人で進めにくければ、Pythonスクールを使う方法もある

「何をどの順番で学べばいいのか分からない」「独学では成果物までたどり着けない」という場合には、Pythonを学べるスクールを利用するのも選択肢の一つです。

たとえば、未経験者向けのPython学習サービスとしてPython Winnerがあります。

Python Winnerでは、Pythonを使ったキャリアを検討している人向けに無料カウンセリングが用意されています。

ただし、スクールを利用すれば必ず転職できる、あるいはPythonを学べばすぐに副業で稼げる、というわけではありません。

費用もかかるため、いきなり受講を決めるのではなく、

  • 自分の現在のレベルでも受講できるのか
  • 何をどこまで学べるのか
  • 自分が目指している働き方につながる内容なのか
  • 学習時間を確保できそうか
  • 独学と比べて費用を払う価値があるか

といった点を確認してから判断したほうがいいでしょう。

**「自分の場合は独学で十分なのか、それともサポートを受けたほうがいいのか分からない」**という段階なら、無料カウンセリングで学習内容や進め方を確認してから考える方法もあります。

→ Python Winnerの無料カウンセリングで学習内容を確認する【PR】

スクールを探す前に、一度自分で作ってみる

この記事で最初から「おすすめのPythonスクール」を紹介しなかったのには理由があります。

実際にPythonを触ってみないままスクールを比較しても、自分に何が必要なのか判断しにくいからです。

まずは小さくてもいいので、自分で一つ成果物を作ってみる。

そこで、

自分で調べながら進められるのか。どこで止まるのか。何をもっと学びたいのか。

を確認する。

そのうえで独学を続けるのか、講座やスクールを利用するのかを考えたほうが、自分に必要な学習方法を選びやすくなります。

Python Winnerを含め、スクールを検討するのはその後でも遅くありません。

まとめ|Pythonを「勉強した」で終わらせない

研究員がPythonを学ぶなら、最初からすべてを覚えようとする必要はありません。

まずは、

  1. 作りたい成果物を決める
  2. 普段の分析作業をPythonに置き換えてみる
  3. 必要になった機能を学ぶ
  4. 公開データを自分で扱う
  5. 結果を解釈する
  6. 他人に説明できる形にまとめる

という流れで、一つ完成させてみます。

そこで重要なのは、難しいコードを書くことではありません。

「どんな問いを立て、どんなデータを使い、どう処理し、何が分かったのか」を自分の言葉で説明できることです。

一つ作ってみれば、自分に足りないものも見えてきます。

独学で続けられそうなら、そのまま次の成果物へ進む。

一人では進めにくいと感じたなら、教材やスクールを利用する。

学習方法を先に決めるのではなく、一度作ってから、自分に必要な学び方を選ぶという順番でもいいでしょう。

あわせて読みたい

タイトルとURLをコピーしました