子育て中に転職活動を始めようとすると、求人を探す、企業について調べる、応募書類を準備する、面接の日程を調整する、条件を確認するなど、やることが数多くあります。仕事と育児を両立しながら進める場合、転職活動に使える時間そのものが限られることもあります。
そこで選択肢になるのが転職エージェントです。一方で、「本当に使う必要があるのか」「自分で応募したほうがいいのではないか」「しつこく転職を勧められないか」といった不安を感じる方もいると思います。特に転職活動そのものが初めてという場合、何から手をつければいいのか分からず、選択肢の一つとして名前を聞く転職エージェントが気になる、という方もいるのではないでしょうか。この記事では、転職エージェントのメリットとデメリットの両方を整理していきます。
そもそも転職エージェントとは
転職エージェントとは、一般的に、求人の紹介、応募手続きのサポート、面接日程の調整、企業との連絡、条件確認、応募書類や面接についての助言などを行うサービスです。
ただし、サービスや担当者によってサポートの内容や範囲は異なるため、すべてのエージェントが同じ対応をするとは限りません。求職者側が無料で利用できるサービスが多いのは、一般的に企業側から紹介手数料を受け取るビジネスモデルが採られていることが背景にありますが、料金体系はサービスによって異なる場合があります。
子育て中に転職エージェントを使うメリット
メリット1|求人探しの負担を減らせる可能性がある
希望条件を伝えることで、その条件に近い求人を紹介してもらえる場合があります。ただし、紹介された求人が必ず自分に合うとは限らないため、自分でも求人サイトなどを見る姿勢は残しておいたほうがよいでしょう。
メリット2|企業との日程調整を任せられる
仕事と育児をしながらの転職活動では、面接日程の調整だけでも負担に感じることがあります。企業との連絡をエージェントに仲介してもらえる点は、時間が限られている方にとって助けになる場合があります。ただし、すべてのやり取りを丸ごと任せられるわけではなく、最終的な判断や意思表示は自分で行う必要があります。
メリット3|求人票だけでは分からない情報を確認できる場合がある
配属予定部署の様子、実際の働き方、選考の中では確認しにくかった条件、制度の利用状況などについて、エージェント経由で確認できる場合があります。子育て中のパパが転職で後悔しないために確認したい7つの条件でも触れたように、こうした情報は転職の最終判断に関わる重要な部分です。
ただし、エージェントが持っている情報が必ずしも正確・最新とは限りません。担当者が把握している情報も、企業側の状況が変わることで実態とずれてしまう場合があります。エージェントから得た情報だけで判断せず、企業から正式に提示された労働条件なども、あわせて確認する姿勢を持っておくことをおすすめします。
メリット4|自分の希望条件を整理するきっかけになる
「年収を上げたい」というだけでなく、残業、勤務地、転勤、仕事内容、在宅勤務、家庭との両立といった条件を、第三者に説明する過程で、自分の中の優先順位が整理されることがあります。ただし、エージェントの意見をそのまま正解として受け入れる必要はありません。
メリット5|条件について相談できる場合がある
年収や入社時期などについて、エージェントを通じて確認・相談できる場合があります。ただし、「必ず年収交渉をしてくれる」「利用すれば年収が上がる」というものではなく、あくまで相談できる可能性がある、という程度に理解しておくとよいでしょう。
転職エージェントを使うデメリット・注意点
デメリット1|紹介される求人が限られることがある
エージェントが扱っている求人の中から紹介を受けるため、世の中のすべての求人が対象になるわけではありません。求人サイトや企業の採用ページなど、他の方法もあわせて使うことができます。
デメリット2|担当者との相性に左右されることがある
担当者によって、業界知識、希望条件への理解の深さ、連絡の頻度、提案の方向性などが異なる場合があります。合わないと感じた場合は、希望をあらためて伝え直す、担当の変更を相談する、別のサービスを検討するといった方法もあります。
デメリット3|希望と違う求人を提案されることもある
紹介されたからといって、必ず応募する必要はありません。なぜその求人を紹介されたのかを聞いてみたうえで、自分の希望条件と照らし合わせて判断すればよいでしょう。
デメリット4|転職を急いでしまう可能性がある
求人を紹介され、選考が進んでいくうちに、「せっかくここまで進んだから」という気持ちが先に立ち、転職そのものが目的になってしまうことがあります。子育て中に転職するのは無謀?パパが転職前に考えたい5つのことでも触れたように、そもそも自分が何を変えたくて転職を考え始めたのかに、折に触れて立ち返ることが大切です。
子育て中なら「家庭との両立条件」を最初に伝える
転職エージェントを使う場合、「年収◯万円以上」「この職種」といった条件だけでなく、家庭との両立に関わる条件もあわせて伝えておくことをおすすめします。転勤についての希望、勤務地、通勤時間、勤務時間、残業についての考え方、在宅勤務について重視すること、休日、出張の頻度、入社時期などが挙げられます。
これらの条件は家庭によって重要度が異なるため、「子育て中なので残業できません」といった一律の伝え方が正解というわけではありません。絶対に譲れない条件、できれば叶えたい条件、妥協できる条件に分けて伝えると、担当者にも希望が伝わりやすくなります。条件を後から追加で伝えることもできるため、最初から完璧に整理できていなくても、活動を進めながら調整していく形で構いません。子育てを優先できる会社に転職したいパパへ|求人で見るべきポイントで紹介した観点も、条件を整理する際の参考になります。
転職エージェントを使ったほうがよい可能性がある人
転職活動に使える時間が限られている、自分の経験でどんな求人を狙えるか分からない、希望条件を整理したい、企業との日程調整が負担に感じる、応募先について追加の情報を確認したい、転職活動そのものが初めて、といった方は、エージェントの利用が向いている可能性があります。
無理に使わなくてもよい人
一方で、応募したい企業がすでに明確に決まっている、企業の採用ページから直接応募したい、自分で求人を比較・管理できる、第三者とのやり取りを増やしたくない、紹介求人に頼らず幅広く自分で探したい、という方は、無理にエージェントを使う必要はありません。直接応募とエージェント経由の応募のどちらが有利かは、一概には言えません。自分が進めやすい方法を選ぶことが大切です。
転職サイトと転職エージェントは併用してもいい
「どちらか一つを選ばなければならない」というものではありません。転職サイトは自分で幅広く求人を見るのに向いており、転職エージェントは条件に合う求人の紹介や企業との調整に向いています。企業の採用ページは、志望する企業がすでに決まっている場合に直接確認する手段になります。
| 方法 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 転職サイト | 自分で求人を探して応募する | 幅広く求人を見たいとき |
| 転職エージェント | 求人紹介や選考サポートを受けられる | 条件整理・日程調整などを任せたいとき |
| 企業採用ページ | 企業が直接掲載する採用情報 | 志望企業がすでに決まっているとき |
サービスによって仕組みが異なるため、この表もあくまで一般的な傾向として参考にしてください。
まとめ|転職エージェントは「使うか」より「どう使うか」
転職エージェントは、利用すれば転職が成功するというサービスではありません。一方で、仕事と育児を両立しながら転職活動を進める場合、求人探しや日程調整、情報収集といった部分を補助してもらえる可能性があります。
「すべて任せる」か「一切使わない」かの二択ではなく、自分で確認すべきことと、サポートを利用する部分を分けて考えてみてください。最終的な転職の判断は、あくまで自分と家族で行うものです。
転職エージェントにも、幅広い業界を扱うサービスだけでなく、特定の業界や職種に強みを持つサービスがあります。現在メーカーで働いている方であれば、これまでの経験を活かす転職と、異業種へ移る転職の両方を考えることができます。次回は、メーカー勤務のパパが転職を考える際の選択肢について整理していきます。
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