転職を考えた会社員パパが資格を取るなら?これまでの業務経験から考える資格の選び方では、人気の資格から選ぶのではなく、まず自分のこれまでの業務経験を振り返り、その経験と関連する学習テーマを考える方法を紹介しました。この考え方を進めていくと、次のような疑問が出てくることがあります。「すでに仕事で経験している分野なのに、あらためて資格を取る意味はあるのだろうか」という疑問です。
結論からいえば、実務経験があるからといって、必ず資格を取る必要があるわけではありません。ただし、実務で身につけた知識を体系的に整理したい場合など、目的によっては意味を持つこともあります。「資格か実務経験か」という二者択一ではなく、資格は実務経験の代わりになるものではなく、実務経験と組み合わせて考えてみると、その意味が見えやすくなります。
「すでにできている仕事について、あらためて勉強する意味があるのか」という疑問を持つのは自然なことです。この記事では、実務経験がある分野をあえて資格として学び直すことに、どんな意味が出てくるのかを整理していきます。
実務で身につく知識と資格で学ぶ知識は同じとは限らない
実務の中では、自分が担当している製品や顧客、自社のルール、日常的な業務に必要な知識を中心に詳しくなっていくことがあります。一方、資格の学習では、その分野を一定の範囲で体系的に学べる場合があります。
そのため、資格の勉強を始めてみると、「仕事ではできているが、なぜそうするのかをうまく説明できない」「自分の担当範囲には詳しいが、その周辺の領域はあまり知らない」といったことに気づくこともあります。長年同じ業務を担当していると、当たり前になっていることの背景や理由を、あらためて意識する機会が少なくなっていることもあります。ただし、これは資格の種類によって学習範囲や実務との距離が異なるため、すべての資格に当てはまるわけではありません。
実務経験がある人が資格を学ぶことで意味が出やすい場面
バラバラだった知識を整理できる
経験の中で覚えてきたことを、体系的な知識として一度整理し直すことができます。
自分が知らない部分に気づける
担当業務以外の周辺知識に触れることで、知識の抜けや、今後学んでみたい領域が見えてくることがあります。
実務経験を振り返るきっかけになる
学習を進めながら、「この内容は今の仕事で使っている」「これは以前の仕事で経験した」「ここはあまり経験がない」というように、自分のキャリアを棚卸しする機会になることがあります。
周辺業務への理解を広げられる
研究開発の経験に知的財産の知識を重ねる、品質管理の経験に統計の知識を重ねる、営業の経験に会計の知識を重ねる、マーケティングの経験にデータ分析の知識を重ねる、といった形で、隣接する分野への理解を広げるきっかけになることがあります。
学んだ内容を次のキャリアでどう使うか考えられる
社内異動、転職、今の業務をさらに深めることなど、資格取得後の使い方を考える材料になります。ただし、資格を取得すること自体が、そのまま転職の成功につながるわけではありません。
「資格があれば実務経験を証明できる」とは限らない
資格は、一定の知識を学んだことを示す材料になる場合はありますが、実際にどのような仕事をどの程度の期間、どんな範囲で担当してきたかを、完全に証明するものではありません。
たとえば、「品質管理の資格を持っている」ということと、「実際に品質管理の業務を何年間、どの範囲で担当してきたか」は別の情報です。転職などの場面では、資格だけでなく、担当してきた業務、役割、成果、経験年数、扱ってきた製品やサービス、プロジェクトの経験などを整理して伝えることも重要になります。資格を取得した時期と、実際に実務を担当していた時期がずれている場合もあるため、資格と実務経験は、それぞれ別の情報として扱っておくとよいでしょう。
資格を取らなくてもいいケース
以下のような場合は、無理に資格取得を進める必要はないかもしれません。
- 希望する仕事で資格が特に求められていない
- すでに十分な実務経験がある
- 資格の学習内容と実際の仕事が大きく離れている
- 資格取得にかかる時間に対して、目的がはっきりしていない
- 別のスキルや実務経験を積むほうが、目的に合っている
なお、「資格を取らない=学ばない」というわけではありません。本を読む、社内研修を受ける、オンライン学習を利用する、実務の中で学ぶ、新しいプロジェクトに参加してみるなど、資格取得以外の学び方も選択肢としてあります。資格という形にこだわらなくても、必要な知識を身につける方法はいくつかあるということを、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
転職目的なら、資格取得前に求人を確認する
転職を目的として資格の取得を考えている場合は、資格の勉強を始める前に、実際の求人を確認してみることをおすすめします。必須資格として記載されているのか、歓迎条件として記載されているのか、そもそも資格についての記載がないのかによって、その資格が持つ意味は変わってきます。
あわせて、求められる実務経験やスキル、仕事内容も見ておくと、資格を取ることが本当に必要なのかを判断しやすくなります。転職エージェントを利用する場合は、希望する職種でその資格がどの程度重視されるのか、情報を確認してみる方法もあります。メーカー勤務のパパが転職を考えたときの選択肢|経験を活かすか、異業種へ行くかやタイズとメーカーズジョブを比較|メーカー転職ではどう使い分ける?でも、実際の求人情報から必要な知識や経験を確認する方法に触れています。
子育て中なら「資格を取った後」まで考える
資格試験に合格すること自体をゴールにしてしまうと、その後の使い道が曖昧になってしまうことがあります。今の仕事で使う、社内異動を考える、転職の際に関連する経験と一緒に伝える、次の学習につなげる、といったように、取得後にどう活用するかを考えておくことをおすすめします。
「資格を取った後に何に使うのか」がはっきり見えない場合は、一度立ち止まって考えてみてもよいかもしれません。子育て中は、勉強時間の確保が家庭生活にも影響することがあるため、「取得後にどう使うか」と「そこまでにかかる時間」の両方を、あわせて考えておくことが大切です。
たとえば休日に勉強時間を確保するなら、その時間が家庭の予定や育児分担にどう影響するかも、あらかじめ共有しておきたいところです。具体的な勉強時間の作り方については、別の機会にあらためて扱いたいと思います。
実務経験がある分野の資格を取るか判断する5つの質問
- この資格を取る目的を、自分の言葉で説明できるか
- 今までの業務経験とどこでつながっているか
- 学んだ内容を、今後どこで使いたいか
- 希望する仕事で、本当に必要・有用なものか
- 家庭とのバランスを含めて、学習時間を使う価値があるか
いくつ「YES」と答えられたかで判定するようなものではなく、あくまで自分の考えを整理するための質問として使ってみてください。
まとめ|資格を取ることより「何のために学ぶか」を考える
実務経験があるからといって、必ず資格が不要になるわけではありませんし、資格があれば実務経験の代わりになるというわけでもありません。実務経験と資格学習を組み合わせることで、知識を整理したり、周辺領域を学んだりできる場合があります。
大切なのは、資格を取得すること自体ではなく、その知識を今後どう使うかを考えておくことです。子育て中の会社員パパは何を学ぶ?キャリアにつながる資格・スキルの選び方や妻が高収入でも自分のキャリアを諦めたくない夫へ|スキルアップという選択肢でも触れてきたように、学びを将来の選択肢を増やす手段として捉えることで、資格取得そのものを目的にせずに考えやすくなります。焦って結論を出す必要はなく、自分にとって意味のある学び方かどうかを、一つずつ確認しながら進めてみてください。
自分の経験に関連する資格を考えるなら、次は職種や業務ごとに、どんな学習テーマが考えられるかを整理してみるのも一つの方法です。
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