妻が高収入でも「自分でも稼ぎたい」と思う夫へ|副業という選択肢

働き方・生き方

妻の年収が高い家庭で、夫はどんなキャリアを築ける?選択肢を整理するでは、転職・副業・資格やスキルアップという3つの方向性を紹介しました。転職ルートについてはここまでの記事で詳しく扱ってきたので、今回はもう一つの方向性である「副業」について考えていきます。

「自分でも稼ぎたい」と思うのは不自然ではない

妻の収入だけで生活が十分に成り立つ家庭であっても、「それでも自分でも何か稼ぎたい」と感じる男性はいるのではないでしょうか。

こうした気持ちは、お金に困っているから、というだけでは説明がつかないことがあります。生活に不自由がないにもかかわらず、なぜかその感覚が消えない、という方もいるのではないでしょうか。たとえば、家計は問題なく回っているのに、ふとした瞬間に「自分だけ何も生み出せていない」という感覚に襲われる、といった話を耳にすることがあります。

ここで一つ整理しておきたいのは、「自分でも稼ぎたい」という気持ちは、妻と競争したいからでも、妻より多く稼ぎたいからでもない場合が多い、ということです。むしろ、自分自身の存在価値や役割を、どこかで確かめたいという気持ちに近いのかもしれません。この感覚を持つこと自体は、決して不自然なことではありません。

「養われているように感じる」気持ちの正体

こうした気持ちの背景には、「収入=家庭への貢献」という結びつきが根強く残っていることがあります。

妻のほうが年収が高い家庭で、夫はどう働くべき?でも触れたように、家庭への貢献は収入だけで測れるものではありません。家事や育児、日々の暮らしを支える様々な関わり方も、立派な貢献の一つです。

ただ、頭で理解していることと、実際の気持ちが一致するとは限りません。「自分は稼いでいないから、妻に養われている」という感覚が、理屈とは関係のないところで残り続けることもあります。「男は稼ぐべき」という価値観を強く持っていなくても、これまでの人生でそう刷り込まれてきた部分が、無意識のうちに影響していることもあるのかもしれません。

こうした気持ちを、「おかしい」と否定する必要はありません。まずは、そういう感覚があると自分自身で認めることが、次の一歩につながっていきます。誰かに相談しにくい感情だからこそ、まずは言葉にしてみることに意味があります。

副業がお金以外にも持つ意味

「自分でも稼ぎたい」という気持ちに対して、副業という選択肢は一つの答えになり得ます。

ただ、ここで大切にしたいのは、副業を「月に何万円稼ぐか」という金額の話だけに矮小化しないことです。副業には、金額以外にも次のような意味があります。

  • 自分の名前で収入を得るという経験
  • 会社以外に、もう一つの居場所を持つこと
  • 仕事以外の新しいことに挑戦する機会
  • 今すぐ転職しなくても、将来の選択肢を増やしておけること
  • 育児が落ち着いた後、キャリアを広げていくための準備

副業によって得られる収入そのものよりも、こうした副次的な効果のほうが、実は本人にとって大きな意味を持っている、ということも珍しくありません。「いくら稼げるか」だけでなく、「何のためにやるのか」を自分の中で言葉にしておくと、副業との向き合い方が変わってきます。

たとえば、「妻より稼ぎたい」という目的で始めた副業は、思うように収入が伸びなかったときに、自分を追い詰める材料になってしまうことがあります。一方で、「自分の力を試してみたい」「会社以外の経験を積んでおきたい」という目的であれば、収入の多い少ないにかかわらず、取り組み自体に意味を感じやすくなります。目的の置き方によって、副業を続けやすいかどうかも変わってくるのです。

子育て中だからこそ、副業は小さく始めてもいい

子育て中は、使える時間そのものが限られています。そのため、副業を始めるとしても、最初から大きな成果を求める必要はありません。

週に数時間程度の取り組みであっても、それは十分に一つの経験になります。まずは生活を壊さない範囲で、小さく試してみるという考え方でよいのではないでしょうか。

また、副業は転職に比べて、始める・やめるという判断を比較的小さな単位で調整しやすい、という側面もあります。もちろん副業にも向き不向きや相性はありますが、「本業を変える」という大きな決断に比べると、試しながら考えていきやすい選択肢だと言えるかもしれません。

うまくいかなければやめればいい、というくらいの軽さで始めてみることも、子育て中の副業との付き合い方としては現実的です。完璧な計画を立ててから始めるより、小さく試してみて、生活への影響を見ながら調整していくほうが、無理なく続けられることもあります。

副業を始める前に夫婦で話しておきたいこと

副業を始める前に、一つ考えておきたいことがあります。それは、副業に充てる時間が、これまで家族と過ごしていた時間や、家事・育児に充てていた時間を削る可能性がある、という点です。

自分の時間の使い方が変わることで、結果的に妻の負担が増えてしまうということも起こり得ます。副業を始める前に、どれくらいの時間をどう使うつもりなのか、夫婦で共有しておくことが助けになります。

このとき、目標とする金額だけを伝えるのではなく、「何のために副業をやってみたいのか」という目的まで共有できると、話し合いがしやすくなることがあります。「収入を増やしたいから」なのか、「自分の力を試したいから」なのかによって、妻の受け止め方も変わってくるかもしれません。

また、副業を始めることで生活リズムがどう変わりそうか、具体的にイメージを共有しておくことも助けになります。「平日の夜に1時間だけ」「週末の午前中だけ」など、あらかじめ使う時間の範囲を決めておくと、家庭内で「思っていたより時間を取られている」といったすれ違いを防ぎやすくなります。

まとめ

副業を始めたいと思う理由は、人によって異なります。

収入を増やしたいという方もいれば、自分の力で稼ぐ経験がほしいという方、将来に備えておきたいという方、会社以外のキャリアを育てておきたいという方もいるでしょう。どの理由も、それぞれに納得できるものであり、どれか一つが正解というわけではありません。

大切なのは、「妻が高収入だから自分は稼がなくていい」でも、「妻より稼がなければならない」でもなく、自分自身が何のために副業を考えているのかを、まず自分の中で整理しておくことだと思います。焦って何かを始める必要はなく、自分の気持ちに向き合う時間を取ること自体にも意味があります。

では、実際に子育て中の会社員パパには、どんな副業が始めやすいのでしょうか。次回は、時間・収入・始めやすさという観点から、具体的な副業の種類を比較していきます。

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