育休中に、これからの仕事や生活について考えても、一人ではうまく整理できないことがあります。
そんなときに困るのが、「誰に相談すればいいのか」ということです。
妻に話すのか。友人に聞いてもらうのか。会社に相談するのか。それとも、第三者に話したほうがいいのか。
ただ、相談先を一つに決める必要はありません。
育休中の悩みには、育児、会社の制度、夫婦の働き方、自分自身のキャリアなど、いくつかの問題が重なっていることがあります。
前の記事「育休中に「これからどう生きる?」と悩んだパパへ|仕事だけではない人生の考え方」では、自分がこれから何を大切にしたいのかを考えました。
この記事では、その先として、「誰に相談するか」を考える前に、まず「何について相談したいのか」を分けながら、相談先を整理していきます。
まず「誰に相談するか」より「何に悩んでいるか」を考える
「人生について悩んでいる」といっても、その中身は一つとは限りません。
たとえば「育休から復帰するのが不安」という悩みでも、
- 復帰後の勤務時間や制度が分からない
- 妻との育児分担が心配
- 以前と同じように仕事をしたいと思えない
- そもそも今の会社で働き続けたいのか分からない
と、いくつかの問題に分けられます。
相談先も、それぞれ違います。
| 悩んでいること | 相談先の候補 |
| 育児そのものについて困っている | 自治体などの育児相談 |
| 育休制度や会社の対応について困っている | 会社の担当部署・公的な相談窓口 |
| 気持ちを誰かに聞いてほしい | 妻・家族・友人・必要に応じて専門的な相談先 |
| 夫婦の働き方や役割について悩んでいる | 夫婦での対話・必要に応じて夫婦相談など |
| 仕事を含めて今後の生き方を整理したい | キャリアコーチングなど |
| 転職先を具体的に探したい | 転職エージェント |
もちろん、きれいに一つへ分けられるとは限りません。
仕事への不安と育児の負担が重なっていることもありますし、夫婦の働き方について考えているうちに、自分自身のキャリアについて迷うこともあります。
大切なのは、すべてを一人の相談相手に解決してもらおうとしないことです。
悩みをいくつかに分けて、それぞれに合う相手へ相談する。
そう考えると、「人生について誰かに相談する」という大きな話ではなくなり、少し整理しやすくなります。
妻に話したいことと、自分で整理したいことを分ける
妻は、最も身近な相談相手の一人です。
特に、
- 今後どこに住むのか
- どの程度仕事に時間を使うのか
- 育児をどう分担するのか
- 家計をどう考えるのか
といったことは、家庭全体に関わります。
夫だけで決められる話ではありません。
特に妻のほうが収入が高い家庭では、夫の働き方だけを切り離して考えるのは難しいところがあります。
夫が転職して勤務地や勤務時間が変われば、妻の通勤や仕事、子どもの送迎などに影響する可能性もあります。
だからこそ、まずは妻がこれからどのように働きたいのか、どんな生活を望んでいるのかを共有したうえで、夫自身の働き方を考えていく必要があります。
一方で、
「自分は何をしたいのか」
「仕事に何を求めているのか」
「これからどんな働き方をしたいのか」
という部分まで、妻に答えを出してもらう必要はありません。
夫婦で一緒に決めたいことと、自分自身で整理したいことは、分けて考えてもいいと思います。
妻の収入と夫の働き方については、「妻のほうが年収が高い家庭で、夫はどう働くべき?」でも整理しています。
友人や同僚に話す
家族には話しにくいことでも、友人や同僚には話しやすい場合があります。
特に仕事の状況を知っている人なら、
「育休から戻ったあとも以前と同じ働き方をしたいのか分からない」
といった感覚を説明しやすいこともあります。
一方で、友人や同僚から、
「それなら転職したほうがいい」
「今の会社に残ったほうがいい」
といった意見をもらうこともあります。
参考になることはありますが、その人の家庭環境や価値観が自分と同じとは限りません。
友人や同僚には、人生の結論を決めてもらうというより、自分の考えを一度声に出してみる相手として話してみるくらいでもいいと思います。
育休中に会社や周囲とのつながりが薄くなったと感じている場合は、「育休中のパパが孤独を感じたとき|「自分だけ」と思ったら考えたいこと」も参考にしてください。
育児や会社の制度について確認したいなら、公的な相談先を使う
悩みの中には、自分で考え続けても答えが出ないものがあります。
たとえば、
- 育児について具体的に困っている
- 育児休業制度について確認したい
- 会社の育休や復職時の扱いについて疑問がある
- 育休取得などを理由とした会社の対応について相談したい
といった問題です。
こうした場合は、自治体の育児相談窓口や、育児休業制度に関する公的な相談窓口などを利用できる場合があります。
公的な相談先は、「これから自分はどう生きればいいのか」という人生全体の答えを考える場所というより、制度や育児などの具体的な問題について確認する場所として考えると分かりやすいです。
分からない制度まで、自分自身の人生の問題として抱え込む必要はありません。
確認すれば分かることは先に確認する。
それだけで、自分が本当に考えなければならないことが少し見えやすくなることがあります。
「どう働くか」より気持ちのつらさが大きいとき
育休中の悩みを、すべてキャリアの問題として考える必要はありません。
仕事をどうするかよりも、
- 気持ちのつらさが大きい
- 眠れない状態が続いている
- 強い気分の落ち込みが続いている
- 家庭や育児そのものがつらい
といったことが中心なら、キャリア相談とは別に、その内容に合った専門的な相談先を考える必要があります。
キャリアコーチングは、働き方やキャリアについて考えるための選択肢ではありますが、医療や心理的な支援の代わりになるものではありません。
「仕事のことで悩んでいるからキャリア相談」と決めつけず、今、自分が一番困っていることは何なのかを基準に相談先を考えることが大切です。
「転職するかどうか」から整理したいなら第三者に話す方法もある
悩みを分けてみても、
「今の会社に残りたいのか分からない」
「転職したいと決まっているわけでもない」
「家族との時間は大切にしたい」
「それでも自分のキャリアを諦めたいわけではない」
というように、簡単には答えが出ないこともあります。
こうしたとき、妻や友人とは別に、仕事やキャリアについて第三者と話してみる方法があります。
その一つが、キャリアコーチングです。
キャリアコーチングの中には、求人を紹介することを主な目的とせず、これまでの経験や価値観、今後の働き方などを対話しながら整理していくサービスがあります。
ただし、一人で整理できないからといって、必ず利用したほうがいいというものではありません。
妻や友人と話すことで考えが整理できるなら、それも一つの方法です。
身近な人とは少し違う立場の第三者に話してみたい場合に、選択肢の一つとして考えるくらいでいいと思います。
キャリアコーチングと転職エージェントは同じではない
キャリアについて相談するサービスとして、キャリアコーチングと転職エージェントがあります。
大まかに分けると、今の状態によって利用目的が変わります。
| 今の状態 | 考えられる相談先 |
| そもそも転職したいのか分からない | キャリアコーチングなど |
| 自分の働き方や価値観を整理したい | キャリアコーチングなど |
| 転職すると決めて求人を探したい | 転職エージェント |
| 応募や選考について相談したい | 転職エージェント |
ただし、実際に提供している支援内容はサービスによって異なります。
「キャリアコーチングなら必ず転職を勧められない」「転職エージェントではキャリアの相談ができない」と単純に分けるのではなく、利用する前にサービス内容を確認する必要があります。
キャリア相談サービスを見るときに確認したいこと
キャリア相談サービスを利用するなら、少なくとも次の点は確認しておきたいところです。
- 自分が相談したい内容を扱っているか
- 転職することを前提としたサービスなのか
- 無料相談では何を相談できるのか
- 有料で利用する場合の料金や契約条件
特に、「無料相談がある」という理由だけで選ぶ必要はありません。
実際に無料相談を利用する場合も、まずはサービスの内容を確認し、自分が整理したい悩みと合っているかを見てから判断するのがよいでしょう。
実際に相談サービスを利用するなら
キャリア相談サービスによって、相談できる内容や対象者、料金などは異なります。
育休中のパパが利用するなら、
「転職先を紹介してほしい」
という段階なのか、
「転職するかどうかも含めて、これからの働き方を整理したい」
という段階なのかを、先に考えておくと選びやすくなります。
【ここに相談サービスを掲載予定】
サービスを掲載する際は、育休中の会社員が相談したい内容と実際のサービス内容が合っているかを確認したうえで紹介します。
転職先を具体的に探したいなら転職エージェント
考えを整理した結果、
「今の会社以外の選択肢を具体的に見てみたい」
「実際にどんな求人があるのか知りたい」
という段階まで進んだら、転職エージェントのほうが目的に合う場合があります。
「自分はどう働きたいのか」を整理することと、「どこへ転職できるのか」を探すことは別の作業です。
転職エージェントを使うか迷っている場合は、「子育て中のパパは転職エージェントを使うべき?メリット・デメリット」で整理しています。
メーカーで働いている場合は、「メーカー勤務のパパ向け転職エージェントの選び方|子育てと両立したい人が見るポイント」も参考にしてください。
転職エージェントに相談したからといって、必ず転職する必要があるわけではありません。
今は「自分がどうしたいのか」を考える段階なのか、「具体的な転職先を探したい」段階なのか。
その違いによって、相談相手も変わります。
誰かに人生を決めてもらうために相談するわけではない
育休中に仕事や家庭について悩んでも、すべてを一人で整理する必要はありません。
ただし、一人の相談相手にすべての答えを求める必要もありません。
制度について分からないなら、公的な相談先に確認する。
家庭のことなら、妻と話す。
気持ちのつらさが大きいなら、その内容に合った専門的な相談先を探す。
仕事を含めて今後を整理したいなら、第三者とのキャリア相談を使う方法もある。
転職先を具体的に探したいなら、転職エージェントという選択肢がある。
こうして分けてみると、「人生について誰かに相談する」という大きな問題ではなくなります。
相談する目的は、誰かに「会社を辞めたほうがいい」「もっと稼いだほうがいい」「家庭を優先したほうがいい」と決めてもらうことではありません。
自分は何に困っているのか。何を変えたいのか。そして、何は変えたくないのか。
それを整理するために、人に話すという方法があります。
まとめ
育休中に「誰に相談すればいいのか」と迷ったら、まずは「何について相談したいのか」を分けてみてください。
育児、会社の制度、夫婦の働き方、自分自身のキャリア。
いくつかの問題が重なっているなら、それぞれ別の相手に相談しても構いません。
一人ですべてを抱える必要も、一人の相手にすべてを相談する必要もありません。
悩みの内容に合わせて相談相手を選ぶ。
それだけでも、漠然としていた悩みを少しずつ整理しやすくなると思います。
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