育休の終わりが近づくにつれて、「復職したくない」という気持ちが強くなってきた。
育休中に仕事のやる気が出ないのはなぜ?という前回の記事では、やる気が出ない理由の一つとして、復職への漠然とした不安を挙げました。ただ、「復職したくない」という気持ちは、単に不安が大きいというだけでは説明できないこともあります。
この記事では、「復職したくない」という気持ちそのものを、もう少し丁寧に分解して考えていきます。
「復職したくない」と思うのは、おかしいことなのか
結論から言えば、「復職したくない」と感じること自体は、おかしいことではありません。
長い育休を経て、生活のリズムや大切にしたいものが変われば、以前と同じ気持ちで仕事に戻れないこともあります。
とはいえ、「復職したくない」という気持ちをそのまま放置しておくと、
「本当に辞めてしまっていいのか」
「でも、このまま働き続けるのもつらい」
という堂々巡りに陥りやすくなります。
大切なのは、その気持ちを否定することでも、勢いで結論を出すことでもありません。まずは、何が「復職したくない」という言葉に含まれているのかを、少しずつ分けて見ていくことです。
「仕事に戻りたくない」と「今の働き方に戻りたくない」は違う
「復職したくない」という言葉には、実はまったく違う二つの気持ちが混ざっていることがあります。
一つは、「仕事をすること自体が嫌だ」という気持ち。もう一つは、「以前と同じ働き方には戻りたくない」という気持ちです。
前者であれば、働き方をどう変えても根本的な解決にはなりにくいかもしれません。しかし後者であれば、話は変わってきます。働く時間、働く場所、任される役割。何かが変われば、また違う形で仕事と向き合えることもあります。
この違いに気づかないまま「復職したくない」とだけ考えていると、必要以上に大きな決断のように感じてしまいます。
なぜ復職したくないのかを分解してみる
ここからは、「復職したくない」という気持ちを、もう少し具体的な問いに分けてみます。すべてに当てはまる必要はありません。自分に近いものを探しながら読んでみてください。
仕事そのものが嫌なのか
育休に入る前から、仕事の内容ややり方そのものに、あまり前向きな気持ちを持てていなかったケースです。
育児という時間ができたことで、「これまで我慢して続けていただけだったのかもしれない」と、あらためて気づくことがあります。
今の会社に戻りたくないのか
仕事自体は嫌いではないけれど、今の職場の人間関係や評価のされ方、社風などに戻りたくない、というケースです。
この場合、問題は「仕事」ではなく「環境」にあります。同じ職種でも、環境が変われば感じ方も変わる可能性があります。
育児と仕事の両立が不安なのか
仕事にも会社にも大きな不満はないけれど、育児をしながら今までと同じように働けるイメージが持てない、というケースです。
「戻りたくない」というより、「戻った後の生活が想像できない」という不安が、結果として復職への抵抗感として表れていることがあります。
以前と同じ働き方を続けたくないのか
仕事も会社も嫌ではないけれど、長時間労働や、仕事を最優先にする働き方そのものを、もう続けたくない、というケースです。
この場合、変えたいのは「仕事」でも「会社」でもなく、「働き方」そのものかもしれません。
「辞める・続ける」の二択で考えない
「復職したくない」という気持ちに向き合うとき、多くの人が「辞めるか、続けるか」という二択で考えてしまいます。
しかし、先ほど分解した4つのパターンを見てもわかるように、実際に見直す必要があるのは、会社そのものではなく、環境や働き方であることも少なくありません。
- 部署や役割を変えてもらう
- 働く時間や働き方を見直す
- 転職して環境を変える
- 今の会社に籍を置きながら、少しずつ働き方を試していく
選択肢は、辞めるか続けるかの間に、いくつも存在します。
「辞める」という決断も、「このまま続ける」という決断も、どちらも今すぐ出す必要はありません。
復職する前に考えておきたい3つのこと
すぐに答えを出せない場合でも、復職前に考えておくと役に立つことがあります。
どこまでなら働けるのか
フルタイムでの復職にこだわらず、時短勤務や在宅勤務など、今の家庭の状況で無理なく働ける範囲を、一度具体的に考えてみることです。
何を変えたいのか
「復職したくない」の中身が、仕事なのか、会社なのか、働き方なのかによって、変えるべき対象は変わります。ここが曖昧なままだと、転職しても同じ悩みを繰り返すことがあります。
今すぐ結論を出す必要があるのか
復職日が近いと、つい急いで結論を出したくなります。ただ、「辞める」「転職する」といった大きな決断は、一度きりの復職と同時に決めなくても構いません。
復職してから、実際の働き方や家庭との両立を見たうえで考える、という選択肢もあります。
「復職したくない」は、働き方を見直すきっかけかもしれない
「復職したくない」という気持ちは、放っておきたい感情ではありません。同時に、慌てて解消しなければならない問題でもありません。
これまで当たり前だと思っていた働き方を、一度立ち止まって見直すきっかけとして捉えることもできます。
家庭の状況や、大切にしたいものが変わったのであれば、働き方が変わるのは自然なことです。
まとめ|復職するかどうかより、どんな働き方をしたいか
「復職したくない」という気持ちに向き合うとき、次の視点を持っておくと、考えを整理しやすくなります。
- 仕事そのものが嫌なのか、今の会社が嫌なのか
- 育児との両立に不安があるのか、働き方そのものを変えたいのか
- 「辞める・続ける」の二択ではなく、間にある選択肢を探せているか
「復職するかどうか」という問いだけを考えていると、答えは出しにくいままです。
それよりも、「どんな働き方なら、これからも続けられるか」を考えるほうが、次の一歩につながりやすいはずです。
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