育休明けに職場へ戻りづらいのはなぜ?仕事への意欲がなくなったときにできる5つのこと

育休・育児

育休が長くなるにつれて、職場に戻ることが少しずつ怖くなってきた。

以前のように仕事に打ち込める気がしない。長く休んだ自分が、上司や同僚にどんな顔をして会えばいいのかも分からない。自分がいない間も職場は動いていて、もう自分の居場所がないように感じる。

育休を取る前は、復職することを当然のように考えていたはずなのに、いざその日が近づくと気持ちが追いつかないことがあります。

ただ、仕事への意欲がなくなったことと、職場に戻ることへの不安は、必ずしも同じではありません。

この記事では、育休中に感じる職場への戻りづらさを整理したうえで、復職や転職を決める前にできる5つの行動を紹介します。

育休をきっかけに仕事への価値観が変わったことについては、育休を取ったら仕事へのモチベーションがなくなった。パパが考えたい5つのことでも書いています。

育休が長くなるほど、職場に戻りづらくなる

育休中も、職場の時間は止まりません。

自分が担当していた仕事は誰かに引き継がれ、部署の仕事は進み、新しい社員が加わることもあります。

職場から離れている時間が長くなるほど、以前は当たり前だった人間関係や自分の役割が、遠いものに感じられることがあります。

短い育休で復職した同僚と顔を合わせづらい

自分より短い育休で職場に戻った同僚がいると、どうしても比較してしまうことがあります。

同じように子どもが生まれたのに、あの人はもう仕事に戻っている。一方、自分はまだ休んでいる。

家庭の事情も、夫婦の働き方も違うのだから、育休の期間が同じである必要はありません。それでも、身近な同僚の存在によって、長く休んでいることに後ろめたさを感じる場合があります。

復職したら何を話せばいいのだろう。長く休んだことをどう思われているのだろう。

相手から何か言われたわけではなくても、顔を合わせる場面を想像するだけで気が重くなることがあります。

上司に会うことが気まずい

上司に対しては、仕事上の責任や期待が気になります。

自分が休んでいる間、上司は業務の割り振りや人員の調整をしていたかもしれません。自分の仕事を引き受けてくれた人もいるでしょう。

そう考えると、長く休んだことを申し訳なく感じたり、復職後に以前と同じように働けるのか不安になったりします。

育児のために残業や出張を減らしたいと思っていても、それをどう伝えればよいのか分からない。以前のように働けない自分を、どう評価されるのだろう。

上司が実際にそう考えているとは限りません。しかし、復職後の役割や期待が見えないままだと、不安は膨らみやすくなります。

それほど親しくない同僚にも会いづらい

親しい同僚よりも、むしろ接点の少なかった人の方が気まずい場合もあります。

同じ部屋で働いていたけれど、仕事で直接関わることはほとんどなかった人。毎日顔を合わせ、挨拶はするものの、それ以上の会話はあまりなかった人たちです。

久しぶりに会ったとき、何事もなかったように挨拶すればいいのか。長く休んだことに一言触れた方がいいのか。

親しい相手なら近況を話せても、距離のある相手には何を話せばいいか分からないことがあります。

一人ひとりとのやり取りは小さくても、職場では何人もの人と顔を合わせます。そのことを考えるだけで、復職が億劫になることがあります。

育休中に入社した新入社員との関係にも戸惑う

自分が休んでいる間に、新入社員や異動してきた社員が加わっていることもあります。

自分の方が社歴は長いのに、今の部署の仕事や人間関係については、新しく入った人の方が詳しいかもしれません。

相手にとって自分は、名前だけ聞いたことがある人、あるいは初めて会う人です。

以前から所属していた職場なのに、復職したときには自分が新しく加わる側のように感じられる。

こうした小さな変化が重なると、職場に自分の居場所がなくなってしまったような感覚につながります。

仕事が嫌なのか、職場に戻るのが怖いのか

復職したくないと感じたとき、まず考えたいのは、その理由です。

仕事内容そのものに不満があるのか。それとも、長く職場を離れたことで、人間関係や復職後の立場が不安になっているのか。

例えば、仕事内容には大きな不満がなくても、同僚と顔を合わせることが気まずくて戻りたくない場合があります。

反対に、人間関係に問題がなくても、育休中に仕事への価値観が変わり、以前の働き方を続けたくなくなることもあります。

もちろん、両方が重なっている場合もあるでしょう。

ここを整理しないまま退職を決めると、職場に戻ることへの一時的な不安を、仕事そのものへの不満と取り違えてしまう可能性があります。

一方で、実際に育休取得を理由とした嫌がらせや不利益な扱いがある場合は、単なる気まずさとして片付けるべきではありません。会社の相談窓口や都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などに相談する方法があります。

職場に戻りづらい気持ちを無理に打ち消す必要はありません。ただ、その気持ちが何から生まれているのかは、分けて考えてみたいところです。

復職・転職を決める前にできる5つのこと

① 仕事への不満と復職への不安を書き分ける

最初に、仕事への不満と、職場に戻ることへの不安を別々に書き出します。

仕事への不満

  • 仕事内容に興味が持てない
  • 残業や通勤の負担が大きい
  • 評価や昇進に納得できない
  • 収入が仕事内容に見合わないと感じる

復職への不安

  • 上司や同僚に顔を合わせづらい
  • 長く育休を取ったことをどう思われているか気になる
  • 以前の担当業務に戻れるか分からない
  • 新しく入った社員との関係を築けるか不安
  • 育児と仕事を両立できる自信がない

書き出したら、それぞれについて「何が分かれば不安が減るか」「何が変われば続けられそうか」を考えます。

復職後の担当業務が分からないなら、上司や人事に確認できます。勤務時間が心配なら、利用できる制度を調べられます。

一方、同僚が自分をどう思っているかは、想像しても答えが出ません。

確認できることと、今は分からないことを分けるだけでも、考える対象を絞れます。

② 仕事に求める条件の優先順位を決める

育休前と育休後では、仕事に求めるものが変わっているかもしれません。

次の項目から、今の自分が重視するものを3つ選んでみてください。

  • 年収
  • 勤務時間・残業の少なさ
  • 在宅勤務の可否
  • 仕事の裁量
  • 仕事内容への興味
  • 雇用や収入の安定性

選んだ条件は、できるだけ具体的にします。

例えば、「残業を減らしたい」ではなく「月10時間以内にしたい」、「通勤が負担」ではなく「片道30分以内が望ましい」といった形です。

すべての条件を満たす職場は見つからないかもしれません。それでも優先順位が決まっていれば、今の会社で働き方を変える場合と、転職する場合を比較しやすくなります。

家庭との時間とキャリアの両立については、家庭を優先しながらキャリアを築く方法|育休後のパパが考えたい働き方でも考えています。

③ 家計と育児の分担を確認する

働き方を変えると、収入だけでなく家庭内の役割分担にも影響します。

パートナーと、次の点を確認しておきます。

  • 毎月の生活費はいくらか
  • 収入が下がる場合、どの程度まで許容できるか
  • 保育園の送迎を誰が担当するか
  • 子どもの体調不良時に誰が仕事を調整するか
  • 繁忙期や出張があるときにどう対応するか

育休前は夫婦ともにフルタイムで働くことを前提にしていても、子どもが生まれると、その働き方を続けるのが難しくなる場合があります。

どちらが勤務時間を調整するのか、収入を優先するのか。家庭によって判断は変わります。

夫婦の収入差を踏まえた働き方については、妻のほうが年収が高い家庭で、夫はどう働くべき?4つの選択肢と判断基準で整理しています。

④ 復職後の仕事内容と社内制度を確認する

職場に戻ることへの不安が強い場合は、復職後の状況を事前に確認しておく方法があります。

上司や人事との面談では、次の点を聞いてみます。

  • 復職後はどの部署・業務を担当する予定か
  • 育休前と比べて部署の体制にどんな変化があったか
  • 復職直後の業務量はどの程度か
  • 時短勤務やフレックスタイム、在宅勤務を利用できるか
  • 育児の事情で勤務時間の調整が必要になった場合、誰に相談すればよいか

すべてを復職前に確定できるとは限りません。それでも、何も分からないまま戻るより、見通しを持てる部分が増えます。

上司への連絡自体が負担なら、まずは人事担当者に相談する方法もあります。

また、親しかった同僚に職場の近況を聞いてみるのも一つの方法です。ただし、無理に連絡する必要はありません。

なお、2025年10月から、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、企業には柔軟な働き方を実現するための措置を講じる義務があります。対象となる措置には、始業時刻の変更やテレワーク、短時間勤務などが含まれます。会社によって導入している措置や利用条件が異なるため、就業規則や人事担当者に確認しましょう。

⑤ 社外の選択肢を調べる

今の会社に戻ることだけを前提にすると、考えが行き詰まることがあります。

転職を決めていなくても、社外にどのような仕事があるのか調べることはできます。

  • 求人情報を見る: 希望する年収や勤務時間、在宅勤務の条件に合う仕事があるか確認する
  • 必要なスキルを調べる: 気になる職種で求められている経験や資格を把握する
  • 副業を検討する: 就業規則や守秘義務を確認したうえで、興味のある仕事を小さく試す
  • 第三者に相談する: 自分だけでは整理しきれない場合、キャリア相談などを利用する

仕事への不満や希望条件を書き出しても、復職と転職のどちらを選ぶべきか判断できないことがあります。

そんなときは、第三者に話すことで、自分の考えを整理できる場合があります。

キャリア相談は、必ずしも転職を決めた人だけが利用するものではありません。今の会社で働き続けることも含めて、今後の働き方を考えるための選択肢です。

ただし、相談できる内容や費用はサービスによって異なります。利用する場合は、事前に条件を確認しておきましょう。

※ここに、今後公開するキャリア相談サービス比較記事への内部リンクを設置する予定です。

転職によって年収が下がることが気になる場合は、子育て中の転職で年収が下がるのはあり?後悔しないための判断基準も参考にしてください。

復職・転職・働き方の変更をどう判断する?

ここまでの5つの行動で情報を集めたら、今後の働き方を比較してみます。

選択肢メリット注意点
現職に復帰する転職活動が不要で、これまでの経験や社内の人間関係を活かせる仕事内容や人間関係への不安が残る場合がある
現職で働き方を調整する職場を変えずに勤務時間や働く場所を見直せる場合がある利用できる制度や業務上の条件を確認する必要がある
転職する仕事内容や勤務条件を変える機会になる希望条件に合う求人があるとは限らず、制度面の確認も必要
一時的に仕事から離れる家庭の事情や自分の状態に合わせて時間を確保できる家計、社会保険、保育園の利用、再就職への影響を確認する必要がある

特に育休中に退職する場合は、育児休業給付や保育園の利用に影響する可能性があります。

育児休業給付は職場復帰を前提とした制度で、育児休業の当初から退職を予定している場合は支給対象になりません。休業中に退職する場合の取り扱いは、離職の時期や事情によって異なるため、ハローワークなどに確認してください。

保育園の利用条件も自治体によって異なります。退職や転職を決める前に、必要な手続きと期限を確認しておきましょう。

まとめ|職場に戻りづらい気持ちも、判断材料の一つ

育休が長くなるほど、上司や同僚に顔を合わせづらくなり、職場に自分の居場所がないように感じることがあります。

その気まずさは、仕事内容への不満とは別のものです。両方が重なると、仕事を続けたいのか、辞めたいのか、自分でも分からなくなることがあります。

まずは、仕事への不満と復職への不安を書き分けてみてください。次に、希望する働き方や家庭の条件を整理し、復職後の仕事内容と社外の選択肢を確認します。

復職までの時間が限られている場合は、会社への連絡期限を先に確認しておきましょう。

職場の人たちと再び顔を合わせることへの気まずさを、無理に打ち消す必要はありません。ただ、その気まずさだけで退職を決める前に、確認できることはあります。

参考資料

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